最適化アプローチを自動で実行する、最適設計支援ソフトウェアの最新版:CAEニュース
サイバネットシステムは、最適設計支援ソフトウェア「Optimus」の最新版「Optimus 2021.1SP1」の提供を開始した。最適化アプローチを学習して自動で実行する機能など、初心者でも容易に高精度設計ができる機能が追加されている。
サイバネットシステムは2021年8月19日、最適設計支援ソフトウェア「Optimus」の最新版「Optimus 2021.1SP1」の提供を開始した。グループ会社のNoesis Solutionsが開発したもので、サイバネットが販売、サポートを手掛ける。
Optimusは、構造、熱、流体、電磁場、音響など広範な分野のCAD/CAEソフトウェアを統合し、解析を自動化、最適化して設計を支援するソフトウェア。最新版では、効率的な最適化アプローチを学習して自動で実行する機能など、初心者でも容易に高精度設計ができる機能が追加されている。
新機能「NAVIRUN」は、計算回数を指定するだけで、最適解を得るための効率的なアプローチを自動で選択、実行する。これまでは高い精度で最適化を得るには、実験計画法でのサンプリングや応答曲面モデルの作成、最適化アルゴリズムの実行などを検討する必要があった。NAVIRUNはそれらを不要にし、最適化の知識がなくても容易に精度の高い最適解を得ることができる。
また、シミュレーションリソースが少なくても、精度の高い応答曲面モデルを作成できる機能を進化させた「適応型Multi-Fidelityモデル」を新たに導入。応答曲面モデルの作成手法が増えたことに加え、複数の中から最適な手法を自動選択できるため、さまざまなタイプのデータに対応する。大規模データの取り扱いも可能になっており、これまで数時間かかっていた応答曲面の作成が数分間でできる。
他に、GUI上に、コンピュータにインストールされている全てのCAD/CAEソフトウェアの新しいインタフェースを設定するウィザードアイコンを導入した。これにより、ソフトウェアのインストールや更新作業が容易になった。
新規導入した「サブグラフ」機能では、ワークフローの一部を取り出してパッケージ化した。再利用したり、チームメンバーと共有したりできるため、自動化が容易になり、初心者が操作を習得する際の時間を削減する。
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