ポテトチップス作り体験施設を併設する、九州初の生産工場が稼働開始:工場ニュース
湖池屋は、同社初となる九州の生産拠点「湖池屋 九州阿蘇工場」の稼働開始と、同工場に併設する「湖池屋GOGO!ファクトリー」について発表した。新工場の稼働により雇用を生み出し、地域の復興、活性化につなげていく。
湖池屋は2021年8月6日、同社初となる九州の生産拠点「湖池屋 九州阿蘇工場」の稼働開始と、同月完成した「湖池屋GOGO!ファクトリー(マイポテチ体験ルーム)」について発表した。
約32億円をかけて建設した九州阿蘇工場の敷地面積は約2万642m2、建築面積は約8120m2となっている。約5000万袋(約50億円)の生産が可能だ。地元から新規採用した38人と既存社員13人、合わせて51人体制で稼働を開始した。
九州阿蘇工場の所在地は、熊本県上益城郡益城町。2016年の熊本地震で被害のあった益城町に新工場を建設することで、雇用を生み出す。また、定番商品の「湖池屋ポテトチップス のり塩」「カラムーチョ」をはじめ、「湖池屋プライドポテト」「じゃがいも心地」「湖池屋STRONG」などの高付加価値商品を生産し、地域の復興、活性化につなげていく。
九州阿蘇工場に併設する湖池屋GOGO!ファクトリーでは、同社の歴史と創業以来のこだわりを体感しながら、ポテトチップス作りを体験できる。
当日生産するポテトチップスに合わせて用意された、さまざまなカット形状のチップス生地と、熊本ならではの素材を含む8種のフレーバーを組み合わせる。さらに、パッケージのデザインを選んだり、メッセージを加えたりして、世界に1つのオリジナルポテトチップスを作ることができる。
同社は九州阿蘇工場の稼働を起点とし、地域の人々と共に、自然災害への対策や地域の素材を生かした新商品の開発、原料開発などに取り組んでいく。なお、九州阿蘇工場で製造した商品には、熊本県のPRキャラクター「くまモン」と「九州阿蘇工場で作りました」というコメントを加えた記念パッケージを使用する(一部の商品を除く)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- AIで原料を判定、食品業界全体にAI活用拡大を目指すキユーピーの挑戦
「第4回 スマート工場 EXPO〜IoT/AI/FAによる製造革新展〜」の特別講演にキユーピー 生産本部 生産技術部 未来技術推進担当 担当部長の荻野武氏が登壇。「Non AI食品製造業キユーピーにおけるAIによるイノベーション 〜協調領域で業界に貢献〜 」をテーマに、同社のAI(人工知能)技術を使った原料検査装置の開発や食品業界協調領域におけるAI活用力強化に向けての取り組みを紹介した。 - 食品製造業のスマート工場化を支援、EdgecrossがWG活動を推進
Edgecrossコンソーシアムは、業界に特化した課題解決やソリューション構築を進めるためにワーキンググループ(WG)活動を強化。その1つが食品製造業に向けた「食品製造業向けソリューション構築WG」である。同WGリーダーを務める小玉昌央氏(サトー)に、食品製造業における課題とWGの取り組みについて話を聞いた。 - 味の素が自動化を進めた包装工場稼働、ロボット採用で生産性1.7倍に
味の素は、ロボットなどを採用し自動化を推進した新工場を建設し、このほど稼働を開始した。 - スマート工場は“分断”が課題、カギは「データ取得」を前提としたツールの充実
工場のスマート化への取り組みは2020年も広がりを見せているが、成果を生み出せているところはまだまだ少ない状況だ。その中で、先行企業と停滞企業の“分断”が進んでいる。新型コロナウイルス感染症(COVID−19)対応なども含めて2021年もスマート工場化への取り組みは加速する見込みだが、この“分断”を解消するような動きが広がる見込みだ。 - スマートファクトリー化がなぜこれほど難しいのか、その整理の第一歩
インダストリー4.0やスマートファクトリー化が注目されてから既に5年以上が経過しています。積極的な取り組みを進める製造業がさまざまな実績を残していっているのにかかわらず、取り組みの意欲がすっかり下がってしまった企業も多く存在し2極化が進んでいるように感じています。そこであらためてスマートファクトリーについての考え方を整理し、分かりやすく紹介する。 - エッジは強く上位は緩く結ぶ、“真につながる”スマート工場への道筋が明確に
IoTやAIを活用したスマートファクトリー化への取り組みは広がりを見せている。ただ、スマート工場化の最初の一歩である「見える化」や、製造ラインの部分的な効率化に貢献する「部分最適」にとどまっており、「自律的に最適化した工場」などの実現はまだまだ遠い状況である。特にその前提となる「工場全体のつながる化」へのハードルは高く「道筋が見えない」と懸念する声も多い。そうした中で、2020年はようやく方向性が見えてきそうだ。キーワードは「下は強く、上は緩く結ぶ」である。