宇宙スタートアップがBioPod開発で3DEXPERIENCEプラットフォームを採用:メカ設計ニュース
ダッソー・システムズの「3DEXPERIENCEプラットフォーム」をInterstellar Labが導入し、環境制御型食料生産システムのプロトタイプを設計、開発した。宇宙環境にも対応するステーションの建設計画をさらに進めていく。
ダッソー・システムズは2021年7月24日、同社の「3DEXPERIENCEプラットフォーム」をInterstellar Labが導入し、「BioPod(環境制御型食料生産システム)」の最初のプロトタイプを設計、開発したと発表した。
Interstellar Labは、食料、水、空気の生成、再生をする循環型制御を用いた居住環境と生物圏を研究開発するフランスの宇宙スタートアップ。BioPodを開発することで、地球、月、火星での人類の生存を支えるインフラと資源を備えた、宇宙環境にも対応するステーションの建設計画をさらに進めていく。
BioPodは、全長10m、幅6m、高さ4.5mの空気注入式ドームだ。外殻部は柔らかなプラスチック膜でできており、基盤部には複合材が使用されている。高度な作物栽培技術を予測モニタリング機能と組み合わせて、従来の屋内設備では栽培が困難だった多種多様な作物や植物を育てるよう設計している。
今回、Interstellar Labは、ダッソーの3DEXPERIENCEプラットフォームを基盤とする「リインベント・ザ・スカイ」ソリューションを導入。これにより、シームレスな連携や、設計の最適化、検証を迅速に実行できるようになった。
フランスと米国の各チームメンバーは、セキュリティを確保した単一のデジタル環境上で、場所や時間を問わず、最新のプロジェクトデータに素早くアクセスして専門知識を結集した。また、バーチャルツインを活用し、極端な気候条件下でのBioPodの構造性能をはじめ、酸素と二酸化炭素の適正量や植物の生育に必要な光源レベルなどもシミュレーションで検証した。
今後、Interstellar Labは、BioPodのドームの稼働状態や維持管理のモニタリングをバーチャルツインで実施し、食料生産や環境に関するデータを収集していく。また、3DEXPERIENCEプラットフォームを今後のモジュール設計や製造規模の拡大に活用することで、サプライヤーとのコミュニケーションを促進したり、BioPodの3Dモデルから写実的なイメージ描画を作成して構想を伝えたりできるようになる。
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