インテルが半導体プロセスノードを再定義、2024年にはオングストローム世代へ:モノづくり最前線レポート(3/5 ページ)
インテル日本法人が、米国本社が2021年7月26日(現地時間)にオンライン配信したWebキャスト「Intel Accelerated」で発表した先端半導体製造プロセスやパッケージング技術について説明した。
リソグラフィ工程にEUVを大規模導入
現在、インテルの半導体工場では10nmSuperFinを用いた量産が、米国のオレゴン州、アリゾナ州、イスラエルで行われている。10nmSuperFinと比べて消費電力1W当たりのトランジスタ性能が10〜15%向上するIntel 7は、クライアントPC向けでTigerLakeの次世代に当たる「Alder Lake」と、データセンター向けの「Sapphire Rapids」の量産に適用される。Alder Lakeは2021年中、Sapphire Rapidsは2022年第1四半期に出荷する予定だ。
Intel 4が適用されるのは、クライアントPC向けの「Meteor Lake」と、データセンター向けの「Granite Rapids」となる。2021年3月のIntel Unleashedにおいて、CEOのゲルシンガー氏はMeteor Lakeが「テープイン(従来の半導体業界用語におけるテープアウト=設計完了に当たる)した」と言及している。Meteor Lakeは、後述する新たなパッケージング技術の採用により複数の半導体ダイを積層することになるが、このうちCPUに当たる「Compute Tile」の生産にIntel 4が用いられる「既にテストウエハーを製造する段階に入っている」(土岐氏)。
なお、Intel 4は、半導体の微細加工で最も重要な役割を果たすリソグラフィ工程において、これまで活用が控めだったEUV(極端紫外線)を大規模に導入する点が、Intel 7までと大きく異なる。EUV採用に向けて半導体装置メーカーとの協業も推進しており、フォトマスクを製造するマスクライターではオーストリアのIMS Nanofabrication、EUV露光装置ではオランダのASML、その他にもアプライドマテリアルズ、Lam Research、東京エレクトロンなどの名前を挙げている。
Intel 3では、消費電力1W当たりのトランジスタ性能が18%向上する見込みだ。Intel 4からさらなる微細化ではなく、高性能ライブラリの採用やトランジスタ内部の駆動電流の向上などで最適化進めるとともに、EUV適用範囲を拡大するなどして性能向上を実現する。
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