「なくなるのは残念? もっと買い支えればよかったのに」
多くの女性が知っている「花びらチーク」という化粧品があります。男性は見たことも聞いたこともないかもしれませんが、雑誌などで何度も取り上げられているので、一度は見たことがあるという女性がかなりの比率を占めると思われます。
チークというのは頬紅のことで、顔色をよくする役割があります。粉末や液体などさまざまで、筆やスポンジで顔に塗布します。色味は1つのブランドでもたくさん用意していて、年に何度か新色が追加されることも。チークを塗ったときの質感はクルマのボディーカラーと同じで、メタリック(化粧品としてはラメですが)、パール、マットなどがあります。頬に足す色味や質感によって顔の印象がずいぶん変わりますので、チークはこだわり始めるとキリがない化粧品です。
花びらチークは文字通り、花びらのような形の頬紅なのです。バラの花びらの形に頬紅の粉末が固められており、その花びらを何枚か専用のポットに入れて保管します。散った後の花びらを集めて小箱にしまっておくような、メルヘンチックな見た目の製品なのです。
頬紅の役割を考えると、何の意味もないデザインです。粉の質(肌が乾燥した印象になってはいけないのです)、色味、肌への定着、筆に粉が含みやすいかどうかなどが、チークに求められる性能です。花びらチークは頬紅として優秀だとユーザーからは評価されていますが、花びらの形である必要は一切ないし、追加で専用のポットを買っても肌に塗ったときの仕上がりには全く影響しません。それでも、他の化粧品ブランドにはない独自のデザインが知名度に大きく貢献していますし、チーク(と専用のポット)以外も同じブランドで買いそろえたくなる心理をくすぐります。そういう商品って化粧品に限らずありますよね。
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