パナソニックが100年培った「IE」が現場プロセスイノベーション事業の強みに:物流のスマート化(3/3 ページ)
パナソニック コネクティッドソリューションズ社が「現場プロセスイノベーション」事業の国内戦略と新ソリューションを発表。製造業として100年以上の歴史を持つパナソニックのIE(インダストリアルエンジニアリング)を強みとして、製造や物流、流通分野のSCM(サプライチェーンマネジメント)の課題解決に貢献していく方針だ。
「上流の業務プロセスの最適化を担うブルーヨンダーは最適なパートナー」
これらの国内戦略と併せて、製造や物流、流通分野におけるSCMの課題を解決するSaaS型業務アプリケーション群となる「現場最適化ソリューション」も発表した。
現場最適化ソリューションは、IEの知見とノウハウを生かして業務プロセスの最適化を図る「最適化ソリューション群」と、画像認識やセンシング技術を基に現場の情報をIEに即してデータ化する「可視化アプリケーション群」から構成されている。
製造物流を含めた物流分野向けでは、最適化ソリューション群として「シフト最適化」「庫内最適化」「輸配送最適化」の3つ、可視化アプリケーション群として「AI画像処理作業可視化」「在庫可視化」「動線分析」「配送見える化」の4つ、計7つを提供する。一方、流通分野向けでは、最適化ソリューション群として「シフト最適化」「在庫最適化」「配送最適化」の3つ、可視化アプリケーション群として「AI画像処理作業可視化」「在庫可視化」「動線分析」「来店客可視化」「棚可視化」の5つ、計8つを提供する。既に利用可能なものあるが、今後は2021年7〜9月期から2022年度内にかけて順次提供をすすめていく。
現場プロセスイノベーション事業が目指すリカーリング比率の向上に向けては、これらの現場最適化ソリューションの貢献が不可欠だ。片倉氏は、国内現場プロセスイノベーション事業のリカーリング比率の目標として、2021年度の売上高20%、利益40%に対して、SaaS型業務アプリケーション群である現場最適化ソリューションなどの拡大を進めることで、2030年度には売上高30%、利益60%に高める計画を掲げた。
なお、この目標数値は、2020年10〜12月期に100%子会社化を完了するブルーヨンダーの数字は含まれていない。パナソニック CNS社 常務でPSSJ 取締役 執行役員副社長の山中雅恵氏は「現場を最適化するには、上流の業務プロセスとの連携が不可欠になる。例えば、画像認識で店舗の棚を可視化して欠品状況を把握し、POSデータとも連動させることで、需要予測の精度を向上し最適な発注につなげられる。フィジカルな現場の情報をデジタルデータとして捉え、サイバー空間に分析し、現場にフィードバックして改善を継続するためにも、上流の業務プロセスの最適化を担うブルーヨンダーは最適なパートナーだ」と述べ、同社の100%子会社の意義を訴えた。
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