5G×MEC×GPUで3D CADがサクサク動く、設計開発エンジニアのテレワークに最適:メカ設計ニュース
NTTドコモが「docomo 5G DX MEETUP for business」の展示内容の一部を報道陣に公開。低遅延と高いセキュリティを実現可能なMECの特徴を持つ「ドコモオープンイノベーションクラウド」の新たなGPUメニューの活用により、設計開発エンジニアのテレワークに必要となる3D CADツールのVDI構築に貢献できることを示した。
NTTドコモは2021年7月15日、法人向け5Gソリューションを紹介するオンラインイベント「docomo 5G DX MEETUP for business」(開催日:同年7月16日と7月19日)の展示内容の一部を報道陣に公開。低遅延と高いセキュリティを実現可能なMEC(Multi‐access Edge Computing)の特徴を持つ「ドコモオープンイノベーションクラウド」の新たなGPUメニューの活用により、設計開発エンジニアのテレワークに必要となる3D CADツールのVDI(仮想デスクトップ基盤)構築に貢献できることを示した。
同社はドコモオープンイノベーションクラウドのオプションサービスとして、3D画像や動画など高精細映像を伝送する際にクラウド上での処理速度向上が可能となる「NVIDIA Quadro RTX 8000メニュー」と、より安価に高性能なGPUの利用を可能にする「GPU分割利用メニュー」の提供を2021年4月13日から開始している。
今回の展示では、3D CADツール「Creo」と5G通信、MECのGPUを用いることで、3D CADデータの表示と操作を遅延なく行えることを示した。現在、ドコモオープンイノベーションクラウドのMECは東京、神奈川、大阪、大分の4カ所で展開しているが、今回のデモは神奈川のMECを利用している。また、GPUについては、NVIDIA Quadro RTX 8000メニューにGPU分割利用メニューを適用し、リソースの4分の1を用いている。「従来は1枚のGPUボードを1インスタンスが占有していた。しかし、最新のNVIDIAのGPUでは1枚のGPUボードを最大8インスタンスで共有可能になり、より安価なGPU分割利用メニューを提供できるようになった」(NTTドコモの説明員)。
コロナ禍の中で設計開発エンジニアにもテレワークが求められているが、そのために高価なモバイルワークステーションを複数用意したり、クラウド版の3D CADツールに移行したり、大規模なシステムインテグレーションによるVDIを構築したりといった手法が検討されている。これらと比べて、ドコモオープンイノベーションクラウドのMECのGPUメニューは、低遅延でかつ高速応答でのアプリケーション処理が期待できるとともに、使い勝手の異なるクラウド版への移行が不要で、サブスクリプションベースの課金体系で投資コストを安価に抑えられるというメリットがある。
この他、MECのGPUメニューについては、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)のストリーミングプラットフォームである「NVIDIA CloudXR」を用いた建築デザインのリモートレンダリングなどの提案も行っている。「NVIDIAのGPUはグラフィックス表示だけでなく、AI(人工知能)の処理にも活用できる。そういった観点では、スマートファクトリー向けの展開も可能だろう」(同説明員)としている。
また、ドコモオープンイノベーションクラウドのMECを活用する場合には通信デバイスとして5Gルーターが必須だったが、2021年秋以降には5G対応のスマートフォンやタブレット端末でも利用できるようになるなど、従来あったハードルを下げる取り組みも進める方針だ。
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