5Gで加速する、NTTドコモの共創ビジネスとIoTへの取り組み:インターネプコン ジャパン2020(1/2 ページ)
エレクトロニクス製造および実装技術の展示会である「インターネプコン ジャパン2020」(2020年1月15〜17日、東京ビッグサイト)の特別講演に、NTTドコモ 5G・IoTソリューション推進室 ソリューション営業推進 担当部長で、エバンジェリストを務める有田浩之氏が登壇。「5G時代のビジネス協創に向けた取り組み」をテーマに、5Gがもたらす産業への影響とNTTドコモの取り組みについて紹介した。
エレクトロニクス製造および実装技術の展示会である「インターネプコン ジャパン2020」(2020年1月15〜17日、東京ビッグサイト)の特別講演に、NTTドコモ 5G・IoTソリューション推進室 ソリューション営業推進 担当部長で、エバンジェリストを務める有田浩之氏が登壇。「5G時代のビジネス協創に向けた取り組み」をテーマに、5Gがもたらす産業への影響とNTTドコモの取り組みについて紹介した。
端末販売から課題解決型のソリューション事業に
NTTドコモでは、数年前から地方創生をテーマに法人営業のスタイルを大きく変えている。これは、従来の端末販売中心から、地域企業と共同で課題解決を進める形へのシフトである。
その事例として、東北地域での海苔の養殖に「ICTブイ」を使った取り組みがある。同地域の主要産業の1つである海苔やカキなどの養殖業は、手をかけるタイミングを少しでも間違えば、収穫量に大きな影響が出る。タイミングを間違えないためには、海水温や塩分濃度を見極める必要がある。しかし、計測のために毎回海に出ていては、手間もコストもかかるという課題があった。
そこでNTTドコモは、これらの情報をリアルタイムで確認できるツールとして「ICTブイ」を開発した。
「ICTブイ」は、NTTドコモの通信技術に水温などの計測器を取り付けたものだ。これを養殖場に設置することで、毎回計測に行くことなく、複数の養殖場の水温や塩分濃度を陸にいたまま計測できるようになった。無駄な測定作業なく、最適なタイミングで養殖場に手を入れられるようになり、作業効率を高めることができたという。
また、AI(人工知能)を活用した課題解決への取り組みも進めている。代表的なユースケースとして、タクシー業界に向けた「AIタクシー」がある。
タクシー業界は、ドライバーの高齢化が進んでいる一方、観光需要の高まりがあり、需要と供給のバランスを取るのが難しい状況になっている。そこでNTTドコモでは、携帯電話から発信されている電波の状況をビッグデータとして活用し、現在から30分後までのタクシー需要の予測結果データをオンラインで配信するサービスを用意している。
タクシー運行データや気象データ、周辺施設データに加え、ドコモの「モバイル空間統計」のリアルタイム版を活用。「タクシー業界では需要と供給のマッチングに悩んでいたが、人の流れを予測することで効率的に収益を上げることが可能になった。2016年から実験を開始しているが、新人ドライバーでも一日当たりの売り上げが、3100円増えたという事例も出ている」と有田氏は訴える。同様の取り組みはバス業界でも行っており、コミュニティーバスの利便性アップや利用者拡大に貢献しているという。
NTTドコモではこうした地方における困りごとを解決する取り組みをさまざまな形で推進している。これらの取り組みを5G活用によりさらに加速させる方針である。
有田氏は「こうした地域を元気にする取り組みを、5Gを活用することでさらに加速させていく。地域の課題収集のために、数多くの自治体、企業と連携している。IoT(モノのインターネット)活用は見える化から、課題解決の方向に進んでいる」と語る。さらに「例えば、建設業界でも画像解析技術、ドローンなどを使って現場業務の変革が進んでいるように、こうした動きはさまざまな産業でも広がっていく。こうした動きは新たに始まった5Gとの親和性も非常に高い。5Gを活用することでより多くの課題解決が実現できる」(有田氏)としている。
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