パナソニックがローカル5Gラボを横浜に開設、顧客やパートナー企業との共創を加速:製造業IoT(3/3 ページ)
パナソニック コネクティッドソリューションズ社とパナソニック システムソリューションズ ジャパンは、パナソニックの佐江戸事業場(横浜市都筑区)内に開設した「Network Connect Lab」を報道陣に公開した。同施設を活用して、「現場マルチネットワークサービス」の顧客やパートナー企業との共創を加速させたい考え。
スタジアムの映像制作に必要だった大量の専用ケーブルが不要に
ローカル5G×リモートプロダクションは、パナソニックが高シェアを持つ各種放送機器とローカル5Gを組み合わせた映像制作業務の現場プロセスイノベーションをイメージしたデモになる。野球やサッカーなどのスタジアムにおける映像制作業務では、フィールドを撮影するカメラと制作を行うスタジオやコントロールルーム、映像の配信先となるサイネージや大型映像表示などの間は、1対1の専用有線ケーブルを用いて接続している。このため、配線が集中するコントロールルームの配線の多さは大変なことになっている。
近年では有線専用ケーブル最大60本分を1本にまとめられる光ケーブルが採用されており、さらにインターネットを経由したリモートスタジオを活用した制作も行われるようになっている。ただし、スタジアム内の配線は現在も1対1接続の専用有線ケーブルが用いられている。このスタジアム内の配線をローカル5Gに置き換え、リモートスタジオでの制作を行えるようにするのがローカル5G×リモートプロダクションの目的になる。
Network Connect Labでは、5Gコアを核に、スタジアム内のコントロールルームと、Network Connect Labと隣接する別部屋に設けられたリモートスタジオをつなぎ、スタジアム内のカメラやサイネージは5Gゲートウェイを使って5Gコアとつながる5G基地局と通信することで無線化を実現していた。将来的には、放送用カメラに5G通信機能が搭載されるようになる可能性もあるという。
無線システムシミュレータは、パナソニックにおける製品開発やシステム開発の実績とノウハウを組み込んだ自社開発のシステムレベルシミュレータである。大手通信キャリアなどに向けて多数の解析結果を納入してきた10年以上の実績があり、これを使って最適な基地局の位置や数などを解析することが可能だ。
デモでは、東京・大手町の周辺をモデル化した3D地図を使って、複数の基地局と複数の移動局となる自動車との間の通信状況のシミュレーションを行った。大手町周辺となるとかなり大規模なスケールになるが、工場内などよりスケールの小さな領域のシミュレーションについても、3D CADデータを入力することで対応できるという。
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