役職を外れる「ポストオフ」への適応、ポイントは学ぶ姿勢とフラットな人間関係:キャリアニュース(2/2 ページ)
リクルートマネジメントソリューションズが「ポストオフ経験に関する意識調査」の結果を発表した。ポストオフに良好に適応している人には、必要な知識を学び続ける姿勢やフラットな人間関係の構築が見られた。
ポストオフに適応するための行動、マネジメントのポイントは
ポストオフ前の準備や行動についても尋ねた。ポストオフ時の適応が良好な「好適応群」と「普通・適応苦労群」で大きく差がついた準備、行動は、部長ポストオフでは「専門性の高い知識やスキルを身につける」(好適応群49.5%、普通・適応苦労群36.1%)、「最新の知識を学び続ける」(同45.3%、33.6%)、「過去の経験とは異なる新たな専門領域を身につける」(同27.4%、16.4%)といった知識更新の姿勢で差が見られた。また、「役職や地位などの権威を振りかざさない」「社内の人脈を広げる」といったフラットな協働関係性の構築でも10ポイント程度の差があった。
課長ポストオフでは、「プレイヤー業務を手放さない」(好適応群36.3%、普通・適応苦労群24.3%)、「役職や地位などの権威を振りかざさない」(同46.2%、35.8%)の項目で大きく差がついた。
続いて、現在の仕事への適応感(成果実感、居場所感、やる気、成長感など)を高める要因について、複数要因から影響を比較検討できる重回帰分析を用いて調べた。
その結果、「環境要因」では「上司からの尊重と高い期待」「インクルーシブな風土(誰の発言も真摯に受け止められ、年齢によらず良い仕事が評価される)」がポストオフ後の適応を促していた。
「個人要因」を見ると、自分の強みや関心を生かしたり同僚と助け合ったりする「拡張、協同ジョブ、クラフティング」が、ポストオフ後に成果をあげ、居場所があると感じて、活力を生み出すことにつながっていた。
また、ポストオフ者の上司のマネジメント行動を「尊重と高い期待」「伴走」「放置」の3種類にまとめて、そこから上司を「放任型(尊重、伴走、放置がいずれも高い)」「伴走型(放置が低い)」「放置型(放置が高い)」にタイプ分けした。
上司のタイプとポストオフ者の「適応感」との関連を調べた結果、「放任型」「伴走型」の上司のもとでは「適応感」が高く、「放置型」上司では低かった。また、「伴走型」上司では、キャリアの見通しが立たない「キャリア停滞感」が低いことが分かった。
ポストオフ者のマネジメントとして、「尊重と高い期待」を本人に伝えること、「率直なフィードバック」をし、活躍するための試行錯誤に上司が「伴走」すること、「放置」しないことが重要と言えそうだ。
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