ニュース
対象物の移動量や速度を高精度に測定できる、非接触式の測定機器:FAニュース
キヤノンは、対象物の移動量や速度を高精度に測定できる非接触式の測定機器「PD-704」を発売した。非接触式ながら最大100Gの高加速度に追従可能で、生産ラインの急停止や急加速時に生じる、部品のわずかな変化を測定する。
キヤノンは2021年5月10日、対象物の移動量や速度を高精度に測定できる非接触式の測定機器「PD-704」を発売した。材料や部品の効率的かつ均一な搬送や、安定供給を可能にし、生産性の向上に貢献する。
PD-704の計測方法には、連続で取得した測定対象物の画像(プロファイル)を相関(マッチング)させ、その変位量から移動量や速度を算出する「プロファイルマッチング方式」を採用している。
そのため、非接触式ながら最大100Gの高加速度に追従可能で、生産ラインが急停止や急加速をした際に部品に発生する、微小な変化を測定できる。さらに、±15mmの縦揺れにも対応し(光源から測定対象物までの距離が70mmの場合)、移動中に上下の揺れが生じても安定した測定が可能だ。
光源にレーザーではなく白色LEDを使用するため、安全性を高めるとともに設置負荷を軽減する。また、センサーと信号処理部が一体化しており、80×135×67mm、1.2kgと小型軽量のため、装置内や生産ラインへ簡単に組み込める。
水や油、ほこりを被る可能性がある現場向けに、別売りの防水オプションも用意している。他に、住宅建材、押し出し成形、鉄鋼、車の部品などの生産ライン、エレベーターの保守や切断機の稼働点検など、さまざまな用途に対応する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ネットワークカメラで工場業務を効率化、キヤノンが狙う“工場の新たな目”
キヤノンは、同社が製品展開しているネットワークカメラや画像処理技術と、自社で培う製造技術などを組み合わせ、2018年から製造現場(FA)向けの画像ソリューションに力を入れる。製品やソリューションの拡充を進める一方、シーメンスやユニバーサルロボットなどのパートナーを増やし、具体的な用途の開拓に取り組んでいる。その戦略を聞いた。 - MR技術も生かした「AGVの目」、デファクトスタンダードを狙うキヤノンの自信
労働人口減少が進む中で工場でもAGVへの注目が高まっている。その中で「AGVの目」に新たに参入したのがキヤノンだ。新たに投入した映像解析ソフトウェア「Vision-based Navigation System for AGV」のポイントについてキヤノンに聞いた。 - マシンビジョンとは何か?
製造現場のプロセス自動化や品質向上に役立つマシンビジョンの基礎知識をお伝えする本連載。第1回は、マシンビジョンとは何かを解説するとともに利点について紹介する。 - 製造現場における画像処理【前編】
製造現場における画像処理技術とは何か? その特徴や導入時のポイントなどをきちんと理解し、生産性向上に役立てていきましょう。連載第5回のテーマは「製造現場における画像処理」についてです。具体的に画像処理が製造現場で効果的に利用されている実例を紹介します。 - スマート工場は“分断”が課題、カギは「データ取得」を前提としたツールの充実
工場のスマート化への取り組みは2020年も広がりを見せているが、成果を生み出せているところはまだまだ少ない状況だ。その中で、先行企業と停滞企業の“分断”が進んでいる。新型コロナウイルス感染症(COVID−19)対応なども含めて2021年もスマート工場化への取り組みは加速する見込みだが、この“分断”を解消するような動きが広がる見込みだ。 - スマートファクトリー化がなぜこれほど難しいのか、その整理の第一歩
インダストリー4.0やスマートファクトリー化が注目されてから既に5年以上が経過しています。積極的な取り組みを進める製造業がさまざまな実績を残していっているのにかかわらず、取り組みの意欲がすっかり下がってしまった企業も多く存在し2極化が進んでいるように感じています。そこであらためてスマートファクトリーについての考え方を整理し、分かりやすく紹介する。