前回当欄で工場へのサイバー攻撃が増えていることについて紹介しましたが、ちょうど「工場へのサイバー攻撃」が心配になる事象が発生しました。米国の石油パイプライン大手のColonial Pipelineへのサイバー攻撃です。同社は2021年5月7日(現地時間)に、ランサムウェアを含むサイバー攻撃を受け、全てのパイプライン操作を一時的に停止しました。既にパイプラインの操業は同年5月12日に再開をしていますが、燃料サプライチェーンの正常化には数日が必要とされており、米国内の燃料供給に大きな影響を与えています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 米石油パイプライン大手Colonialにサイバー攻撃 全米への石油移送を一時停止
米石油移送パイプライン大手のColonial Pipelineがランサムウェアを含むサイバー攻撃を受けたと発表。すべてのパイプラインを一時的に停止した。 - 米石油パイプライン大手へのサイバー攻撃、犯人はロシアを拠点とする集団「DarkSide」とFBIが発表
FBIは、7日石油パイプライン大手のColonialが発表したランサムウェア攻撃には「DarkSide」というハッカー集団が関わっていると発表した。バイデン大統領は「この集団はロシア政府とは無関係だがロシアを拠点としている」と語った。 - 工場がサイバー攻撃者の“カモ”にされる理由
工場を攻撃すれば儲かる時代になっているのです。 - スマート工場の約半分がサイバー攻撃で生産停止、その内4割以上が4日以上止まる
トレンドマイクロは2021年4月23日、日本、米国、ドイツの3カ国を対象とする「スマートファクトリーにおけるセキュリティの実態調査」の結果を発表した。本稿ではその内容を紹介する。 - IoT/OTシステムへの攻撃を3社に1社が経験、半数近くが対策不十分を認識
IDC Japanが国内企業のIoT/OTセキュリティ対策実態調査の結果について説明。IoT/OTシステムに関わるセキュリティ事件/事故を経験した企業が36.4%に上る一方で、半数近くの47.7%がセキュリティ対策状況が不十分と認識しつつも、「予算の確保」や「導入効果の測定が困難」を理由に対応を進められていない状況も浮き彫りになった。