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“新奇品”やセールスエンジニアでニーズを掘り下げる、OKI電線の新規開拓戦略製造マネジメント インタビュー(2/2 ページ)

OKI電線では2021年4月に新社長である山口英雄氏が就任。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が続く中で、どのように新たなかじ取りを進めていくのだろうか。新社長に取り組みの方向性と抱負について聞いた。

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“新奇品”でシーズからニーズを掘り下げる

MONOist 2021年度の各事業の重点取り組みについてはどう考えていますか。

山口氏 電線・ケーブル事業については、高速性能や耐屈曲性などの従来の強みに加え、要素技術としての耐久性や品質向上などをさらに高めていく方針だ。また、コロナ禍で工場などに実際に訪問することが難しい状況を踏まえ、これらの耐久性試験や評価の設備や体制を整備し、客観的に顧客が求める環境での耐久性が確保できることを示せるようにしていく。

 検査機や評価装置への設備投資を進める他、これらの自動化装置などの導入も広げる。これらをデータベース化し顧客と共有できるようにする。電線・ケーブルは利用環境により製品の品質や耐久性など、求められる条件が大きく変わってくる。特に耐久性はOKI電線の強みでもあり、これらを評価体制や装置を含めて示していくことでさらに強みを浸透させたい。

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OKI電線 岡谷工場での引っ張り試験の様子。評価設備の強化を推進する(クリックで拡大)

 フレキシブル基板事業については、利益率が低いため、収益力強化に重点的に取り組む。その中心となるのが、以前から取り組む「新奇品」の強化である。「新奇品」はOKI電線独自の技術で独創力のあるものを、シーズからの発想で製品化したものだ。ニーズを掘り下げた製品開発が中心ではあるものの、顕在化したニーズを聞くだけでは新たな製品の発想は生まれてこない。あえてシーズからの製品を示すことで、顧客との間でも新たな発想や可能性を生み出すことができる。例えば、人工衛星向けのソーラーパネルで使用する大型のフレキシブル基板など「新奇品」から実際に導入に至ったケースなどもある。現在は「新奇品」は10数点だが、これらをさらに増やすとともに、見直しを進め、製品開発の現場に入り込むような突破口としていく。

 電極線事業は、2020年度に全面リニューアルしたので、この新製品の浸透に取り組む。ワイヤ放電加工機は自動車業界の需要にリンクしており、電極線もこれらの稼働状況に影響を受けるが、自動車生産が増えてくれば、需要は広がると見ている。

MONOist 今後の抱負を教えてください。

山口氏 OKI電線で35年間営業をやってきた。その経験を踏まえ、顧客目線で声を反映するということは各事業で浸透させたい。また、OKIグループの総合力を生かし、相互補完での取り組みを強化していく。

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