ETCを駐車料金やドライブスルーの支払いに、「ETCX」がスタート:モビリティサービス
ETCソリューションズは2021年4月28日、高速道路以外の施設でもETCを支払いに利用できる新サービス「ETCX」を開始すると発表した。駐車場やドライブスルー、ガソリンスタンドなどでの料金を乗車したままETCで支払えるようにする。高速道路の料金所よりも廉価なアンテナを開発するとともに、ETCの承認をセンター側で処理するネットワーク型ETCを採用することにより、システムのコストを低減した。
ETCソリューションズは2021年4月28日、高速道路以外の施設でもETCを支払いに利用できる新サービス「ETCX」を開始すると発表した。駐車場やドライブスルー、ガソリンスタンドなどでの料金を乗車したままETCで支払えるようにする。高速道路の料金所よりも廉価なアンテナを開発するとともに、ETCの承認をセンター側で処理するネットワーク型ETCを採用することにより、システムのコストを低減した。
ETCX加盟店でETCでの支払いを利用するには、事前にクレジットカード番号とETCカード番号で会員登録する必要がある。3年以内に会員数10万人、導入100カ所を目指す。将来的には、4000万人のETCユーザーのうち1000万人を取り込みたい考えだ。
会員登録の受付を4月28日から開始した。また、4月29日から新名神高速道路の鈴鹿パーキングエリア(上り線)にあるドライブスルー型店舗「ピットストップSUZUKA」でETCXによる支払いが可能になる。ピットストップSUZUKAは土日祝日限定で5月30日まで営業する。7月1日からは、静岡県の伊豆中央道と修善寺道路での通行料金支払いにETCXが利用できる(現在は現金での支払いのみ)。ETCX向けの割引プランも導入予定だ。
ETCソリューションズは、ソニーペイメントサービスとメイテツコム、沖電気工業(OKI)が共同出資で2020年10月に設立した。設立以前の2017年から、有志企業によって駐車場やカーフェリー、ファストフード店のドライブスルーで試行運用が行われてきた。ファストフード店では「ドライブスルー渋滞」の解消など成果があったという。今後はETCソリューションズを設立した3社の他、中日本高速道路や三菱プレシジョン、オリエントコーポレーションと「ETCX運営協議会」を立ち上げ、電気自動車(EV)の充電料金支払いや、車種ごとの通行料金の設定などさまざまなサービスの提供につなげていく。
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