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高値づかみでも「パナソニック コネクト」にはブルーヨンダーが必要だった製造マネジメント メルマガ 編集後記

7000億円超は確かに高い買い物ですが、今後きちんと生かせるかが重要です。

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 この記事は、2021年4月27日発行の「製造マネジメント メールマガジン」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。


高値づかみでも「パナソニック コネクト」にはブルーヨンダーが必要だった

 2021年3月上旬に一部報道で表面化した、パナソニックによる米国サプライチェーンマネジメント(SCM)ソリューション大手・ブルーヨンダー(Blue Yonder)の100%子会社化ですが、同年4月23日に正式に発表されました。既にパナソニックは2020年7月にブルーヨンダー株式の20%を取得していましたが、残り80%の株式の追加取得で56億米ドル、ブルーヨンダーの既存有利子負債返済分15億米ドルで、買収総額は71億米ドル(約7650億円)に上ります。

 パナソニックは、2019〜2020年度に事業入れ替えや資産売却を進めたことで約1兆円の資金創出超過になっていたということで、買収の原資が十分に担保されてはいますが、7000億円超が巨額の買収であることに変わりはありません。同社が1991年に行った米国映画大手MCAの買収が失敗に終わったことや、2009年12月に子会社化した三洋電機の統合が成功したとはいえない現状などもあり、企業買収が得意というイメージはありません。“家電の”パナソニックが、畑違いのITソリューションベンダーを買収して、相乗効果を生み出して成長軌道に乗せられないのではないかという見方は強く、週明けの4月26日から同社の株価は下げ基調です。

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