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きっかけは朝のニュース、コロナ禍が結んだコニカミノルタとタムラテコの協業製造マネジメント インタビュー(1/2 ページ)

コロナ禍は多くの企業に苦しみをもたらしているが、厳しい環境だからこその新たな出会いにつながったケースもある。コロナ禍をきっかけに包括的協業に進んだコニカミノルタとタムラテコの経緯と今後の取り組みについて話を聞いた。

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 「きっかけは朝のニュースで見て、何か手伝えないかと考えたことだった」――。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響はあらゆる製造業に大きな影響を及ぼし、現場に大きな混乱を招いている。しかし、こうした共通の苦難が降りかかったからこそ、従来は出会うことがなかった新たな縁なども生まれている。こうした1つのケースが、コニカミノルタとタムラテコの協業である。

 コニカミノルタは2021年1月にタムラテコとの包括的協業を発表した。「見えないモノを見る」をテーマに医療分野などにも注力するコニカミノルタと、オゾン発生器で高い技術力を持つタムラテコとの組み合わせは、ビジネス面での相乗効果も期待できるため、相互のビジネスメリットのために話が進んだようにも見えるが、出会いはCOVID-19にも効果が期待されているタムラテコのオゾン発生器の製造が、調達や製造面でのさまざまな課題により滞っていることがニュースで報じられたことだったという。

 コロナ禍が結んだ協業への動きと今後について、きっかけを作ったコニカミノルタ 執行役 生産・調達本部長の竹本充生氏と、協業の具体的な話を進める同 生産・調達本部 生産・調達本部生産イノベーションセンター長の田渕信一朗氏に話を聞いた。

コニカミノルタが培ったさまざまな知見を活用

MONOist コニカミノルタとタムラテコの出会いについてはどういう経緯があったのでしょうか。

竹本氏 もともとコニカミノルタではコロナ禍における非常時対応として、自社のリソースで手伝えることは何でもやるということを決めていました。例えば、自社で保有していたマスクや防護服などの寄付や、グローバルでの調達、フェイスシールドの自社内供給など、さまざまな取り組みを実際に行っていました。

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コニカミノルタ 執行役 生産・調達本部長の竹本充生氏

 こうした中で、緊急事態宣言下であった2020年5月に朝のニュースを見ていたところ、COVID-19対策としてタムラテコのオゾン発生器の製造が需要の急増により対応が間に合わなくなっているという話題が取り上げられていました。ニュースの中で製造現場が映っていましたが、その様子がコニカミノルタのモノづくりと親和性があり、われわれが培ってきたノウハウを生かして手伝えるのではないかと考えたのがきっかけです。ニュースを見たその日にいきなり連絡しました。

MONOist そもそもモノづくりとの親和性や支援できるノウハウというのはどういうことだと考えていたのでしょうか。

竹本氏 もともとコニカミノルタでは、サプライヤーをパートナーとして位置付け、共に成長をするために、サプライヤーの現場に入り込み、一緒に成長をするコラボレーション活動を行ってきました。それぞれが求める品質や納期、コスト、環境対応、財務リスクなど、モノづくりにおける課題を共に解決するという取り組みです。例えば、コストを削減するために一緒に目標を決め、具体的な解決策を出し、相互にメリットがあるような仕組みを作り出す。これらを定着させる中で、各地で強固な関係性を築くことができています。こうした取り組みは、東日本大震災やタイの大洪水などの大災害でも効果を発揮してきました。こうしたノウハウが生かせるのではないかと考えました。

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コニカミノルタが考えるサプライヤーとのコラボレーション活動による強み(クリックで拡大)出典:コニカミノルタ

 もう1つは、コニカミノルタ内での多岐にわたるモノづくりのノウハウの活用です。コニカミノルタでは情報機器や産業機器、ヘルスケア機器の完成品から材料、デバイスまでさまざまな製品を取り扱っています。そのため、製造の形態も大きく分けて、材料系、デバイス系、組み立て系の3つの形態を全て社内で行っています。その中で、タムラテコのモノづくりは、組み立て系の要素が強く、映像を見た時にコニカミノルタ内の知見が生かせると考えました。

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コニカミノルタが持つ豊富なモノづくりのノウハウ(クリックで拡大)出典:コニカミノルタ
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