日立建機が工場敷地内に新棟建設、生産拠点の再編と開発リソース集約を図る:工場ニュース
日立建機は、茨城県にある土浦工場の敷地内に「事務管理棟」「エンジニアリング棟」を、龍ケ崎工場の敷地内に「総合棟」を新設する。生産拠点の再編と開発リソースの集約、働きやすい職場環境の整備を図る。
日立建機は2021年2月25日、茨城県にある土浦工場(土浦市)の敷地内に「事務管理棟」「エンジニアリング棟」を、龍ケ崎工場(龍ケ崎市)の敷地内に「総合棟」を新設すると発表した。事務管理棟は同年6月中の稼働開始を、エンジニアリング棟と総合棟は2022年度中に完成する予定だ。
各棟の新設は、同社が進めている国内の主要な生産拠点の再編と開発リソースの集約に加え、働きやすい職場環境を整備するのが目的。事務管理棟は、生産現場をサポートする間接部門の従業員に働きやすさを提供し、エンジニアリング棟は各拠点に分散していた開発部門を集約して合理的な開発を推進する。
土浦工場の事務管理棟は木造によるシステム建築構造を採用することで、環境に配慮する企業イメージ、自然素材のぬくもりや安らぎに満ちた職場環境を創出する。エンジニアリング棟は、多様性、快適性、コミュニケーションを念頭にデザインを計画中だ。
また、開発部門の集約により、安全性の向上、将来の自動化、自律化に向けた制御機能の高度化、ICT(情報通信技術)、IoT(モノのインターネット)との連携など、先進的な開発を推進する。
龍ケ崎工場には、生産部門と間接部門で共用する総合棟を新設することで、コミュニケーションの活性化や福利厚生設備の充実を図る。吹き抜けのあるラウンジや、仕事や打ち合わせにも利用できる大きな窓を備えた食堂など、多様性と快適性を備えたデザインを計画している。
事務管理棟の基礎工事では、自社製のICT油圧ショベル「ZX200X-6」の3次元マシンコントロール機能を活用。他の棟の基礎工事でもICT施工を取り入れ、作業員による検測作業の削減や掘削作業の効率化を進める予定だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 日立建機の遠隔監視ソリューションを「Lumada」で横展開、日立が産業機械向けに
日立製作所は、日立建機の建設機械遠隔監視ソリューション「ConSite」の機能とノウハウを活用した、価値創出型の産業機械アフターサービス強化支援ソリューションを2020年10月から提供する。 - 溶接作業の技能レベルをデータで見える化、日立建機が新計測技術を開発
日立建機は溶接技能者の技量を定量的データで可視化する新たな計測技術を開発した。同計測技術を活用した新たな訓練システム開発に向けた実証実験も実施する予定。 - スマート工場は“分断”が課題、カギは「データ取得」を前提としたツールの充実
工場のスマート化への取り組みは2020年も広がりを見せているが、成果を生み出せているところはまだまだ少ない状況だ。その中で、先行企業と停滞企業の“分断”が進んでいる。新型コロナウイルス感染症(COVID−19)対応なども含めて2021年もスマート工場化への取り組みは加速する見込みだが、この“分断”を解消するような動きが広がる見込みだ。 - スマートファクトリー化がなぜこれほど難しいのか、その整理の第一歩
インダストリー4.0やスマートファクトリー化が注目されてから既に5年以上が経過しています。積極的な取り組みを進める製造業がさまざまな実績を残していっているのにかかわらず、取り組みの意欲がすっかり下がってしまった企業も多く存在し2極化が進んでいるように感じています。そこであらためてスマートファクトリーについての考え方を整理し、分かりやすく紹介する。 - エッジは強く上位は緩く結ぶ、“真につながる”スマート工場への道筋が明確に
IoTやAIを活用したスマートファクトリー化への取り組みは広がりを見せている。ただ、スマート工場化の最初の一歩である「見える化」や、製造ラインの部分的な効率化に貢献する「部分最適」にとどまっており、「自律的に最適化した工場」などの実現はまだまだ遠い状況である。特にその前提となる「工場全体のつながる化」へのハードルは高く「道筋が見えない」と懸念する声も多い。そうした中で、2020年はようやく方向性が見えてきそうだ。キーワードは「下は強く、上は緩く結ぶ」である。 - 工場自動化のホワイトスペースを狙え、主戦場は「搬送」と「検査」か
労働力不足が加速する中、人手がかかる作業を低減し省力化を目的とした「自動化」への関心が高まっている。製造現場では以前から「自動化」が進んでいるが、2019年は従来の空白地域の自動化が大きく加速する見込みだ。具体的には「搬送」と「検査」の自動化が広がる。 - 見えてきたスマート工場化の正解例、少しだけ(そもそも編)
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについて、話題になったトピックなどに応じて解説します。第28回となる今回は、スマート工場化において見えてきた正解例について前提となる話を少しだけまとめてみます。