市販のタブレットに非常停止用押ボタンなどを実装できるセーフティコマンダ:FAニュース
IDECは、タブレットに安全機器を実装できる、セーフティコマンダ「HT3P 形」の販売を開始した。市販のタブレットに非常停止用押ボタンスイッチとイネーブルスイッチを搭載でき、導入コストの低減や安全性の向上を図れる。
IDECは2021年1月29日、タブレットに安全機器を実装できる、セーフティコマンダ「HT3P 形」の販売を開始した。価格はオープンで、2023年度までに5億円の販売を見込む。
HT3P 形を利用すれば、市販のタブレットに非常停止用押ボタンスイッチとイネーブルスイッチを簡単に搭載できるようになり、ISO/IECの安全規格をクリアすることで、生産現場へのタブレットの導入を後押しする。
伸縮式ドッキング構造の採用により、画面サイズ8〜11インチ、厚さ10mmまでの幅広いサイズのタブレットに対応。厚さ調整用のオプションパーツを使用すれば、11〜24mmに対応できる。重量1.1kgまでのタブレットの落下試験で、落下耐性1.2mの堅牢性を確認。保護等級IP54の耐環境性能を備え、水の飛沫、ちり、ほこりの環境下でも使用できる。
また、人間工学に基づいた回転式グリップ構造とイネーブルスイッチの配置、操作しやすい位置に配置可能な非常停止用押ボタンスイッチなど、利き手を問わない高い操作性を備える。
イネーブルスイッチの3ポジション動作、非常停止用押ボタンスイッチの有効無効状態を視覚的に表示するLEDインジケーター、キーロックなど、作業中の危険リスクを低減する安全機能も搭載する。USB充電用ポートも備え、タブレットを充電しながら使用もできる。
ロボットやAGV(無人搬送車)のティーチング、自動車生産ラインや搬送ラインの制御などに市販のタブレットを使うことで、導入コストの低減、安全性、利便性の向上を図れる。
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