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室内空調システムに応用可能な新型コロナウイルスの除去不活化技術:医療機器ニュース
三菱重工サーマルシステムズと北里大学は、酵素・尿素製剤による処理、または紫外線発光ダイオード照射により、新型コロナウイルスを除去、不活性化できることを確認した。
三菱重工サーマルシステムズは2021年2月10日、酵素・尿素製剤による処理、または紫外線発光ダイオード(UV-C LED)照射により、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を除去、不活性化できることを確認したと発表した。北里大学との共同研究による成果だ。
→特設サイト「新型コロナウイルス 製造業が直面する未曾有の試練」
この酵素・尿素製剤は、抗菌、抗ウイルス、抗アレルゲン機能を持ち、インフルエンザウイルスやポリオウイルスに対して有効性が確認されている。一方、UV-C LEDは、微生物汚れ対策の機能を有している。
今回の研究では、酵素・尿素製剤を含む集塵用エアフィルター上で、数万個の新型コロナウイルスを60分間反応させたところ、ほぼ完全に不活化した。
また、UV-C LEDを使用した実験では、数万個の新型コロナウイルスを塗布した樹脂製プレートに、3cmの距離からライトを10分間照射した。塗布面が乾燥しないよう、密閉した装置内で照射したが、ウイルスをほぼ完全に不活化できることを確認した。
これらの成果は、室内でのウイルス感染を制御する可能性を示しており、室内空調システムへの応用が期待される。
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