ホンダ日産三菱自が主力SUVを全面改良、テスラの156万円値下げにも注目:自動車業界の1週間を振り返る(1/2 ページ)
1週間、おつかれさまでした。週末までたどり着きましたね。今週もいろいろな出来事がありました。新型車に関するニュースが多かった印象ですね。
1週間、おつかれさまでした。週末までたどり着きましたね。今週もいろいろな出来事がありました。新型車に関するニュースが多かった印象ですね。
2月17日には三菱自動車がフルモデルチェンジした「アウトランダー」をお披露目しました。新開発のプラットフォームやガソリンエンジンを搭載します。フロントのデザインは現行モデルに取り入れている「ダイナミックシールド」の次世代版を採用しており、迫力があります。2021年4月から米国やカナダ、プエルトリコで販売します。米国での販売価格は2万5795ドル(約272万円)から。
2月18日には、ホンダ「ヴェゼル」や日産自動車「キャシュカイ」の全面改良も発表されました。新型キャシュカイは、欧州市場向けで初めて「CMF-Cプラットフォーム」を採用した他、新開発の12Vのマイルドハイブリッドシステムを組み合わせた排気量1.3l(リットル)の直噴ターボエンジンを搭載します。
また、新型キャシュカイはシリーズハイブリッドシステム「e-POWER」を欧州で初めて展開するモデルでもあります。欧州向けのe-POWERでは、可変圧縮比エンジン「VCターボ」を発電専用のエンジンとして搭載するのだそうです。気になりますね。
新型ヴェゼルは、7年ぶりのフルモデルチェンジとなります。お披露目の動画などを見ていると、デザインの効果なのかクルマが大きくなったような、そうでもないような、不思議な感じがします。実物を見てみたいですね。
新型ヴェゼルのデザインについて、発表当日にTwitterで「CX-ハリアー」と揶揄(やゆ)した話題が盛り上がっており、一時トレンド入りしていました。前から見るとマツダのSUV「CXシリーズ」のようで、後から見るとトヨタ自動車の「ハリアー」に似ている……と意地の悪い人が言い出したようです。自動車業界全体のデザインのトレンドに乗った結果なのかもしれませんが、売れ行きにはどう影響するでしょうか。
ガソリンスタンドのEV、82万円引きのEV
自動車メーカーではありませんが、出光興産も新しいクルマを披露しました。
タジマモーターコーポレーション傘下のタジマEVに出光興産が出資する「出光タジマEV」を通じて、超小型EV(電気自動車)を開発します。2022年から出光興産のガソリンスタンドで超小型EVのシェアリングや販売を行う計画です。
EVつながりで無視できないのは、テスラが「モデル3」の日本での販売価格を2月17日付で大幅に引き下げたことですね。3つあるモデル3のグレードのうち、「スタンダードレンジプラス」(走行距離430km)が511万円から429万円に、「ロングレンジ」(走行距離580km)は655万2000円から499万円に値下げしました。
2019年からデリバリーされているモデル3ですが、モデルチェンジでも何でもないタイミングで82万円引き、もしくは156万2000円引きというのは相当に特殊な出来事のように思います。大幅な値下げの原資についてテスラの米国本社とアジアパシフィックの広報にメールで問い合わせていますが、これを書いている時点では返信が届いていません。
日本経済新聞では、日本向けのモデル3の生産拠点が米国カリフォルニア州から中国上海に切り替わったことで生産や物流のコストが下がったのを値下げに反映したと報じています。また、テスラファンの間では、バッテリーの調達先の変更も値下げに影響している、という見立ても出ています。こうした要因でこれほどの大幅な値下げが達成できるものなのかと驚きました。
日本勢を始めとする伝統的な自動車メーカーも同じように値下げすべきだと煽るつもりはありません。人は値段や値下げ率だけでは大きな買い物を決断することはできないからです。しかし、値段が購入を決める要因であるのも事実です。消費者によってEV同士がシビアに比べられる状況が近づいていることを実感しますね。
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