ハードウェア製造もアジャイルで、ビジネスアジリティ推進企業が日本展開本格化:製造ITニュース
アジャイル開発など企業の俊敏性(アジリティ)を支援する米国Scaled Agileは2021年2月17日、日本市場に向けた取り組みを発表した。ソフトウェアだけでなくハードウェア開発のアジャイル化も支援し、開発から組織変革までも含んだフレームワークを提供する。
アジャイル開発など企業の俊敏性(アジリティ)を支援する米国Scaled Agileは2021年2月17日、日本市場に向けた取り組みを発表した。ソフトウェアだけでなくハードウェア開発のアジャイル化も支援し、開発から組織変革までも含んだフレームワークを提供する。
Scaled Agileが展開する「Scaled Agile Framework(SAFe)」は、グローバルで2万社に導入されているエンタープライズアジャイルフレームワークである。アジャイル開発は、短い期間で開発とレビューを反復しながら機能を追加、検証していく開発手法のことだ。アジャイル開発はDX(デジタルトランスフォーメーション)を進める中では必須とされており、「確立した市場があるわけではない領域で新事業を作り出す場合」や「運用しながらブラッシュアップしていく必要がある場合」など、単なる開発手法としてだけではなく、ビジネスモデルや経営判断、組織構成などに大きく関わるものである。ただ、従来は「開発」の枠組みにとどまり、結果として、総合的にはうまく成果が出せない状況が生まれていた。
こうした課題を解決するために、アジャイル化を進め、ビジネスアジリティを獲得するためのフレームワークとして示したものがSAFeとなる。SAFeはテキストや画像、動画、評価ツールなどで構成されるナレッジベースの一種のガイドラインである。開発手法だけでなく、リーダーシップや組織文化まで踏み込んでいることが特徴である。Scaled Agileでは、これらの素材のライセンスと共に、認定制度、アドバイザリーサービスなどで収益を得るビジネスモデルである。
具体的には、経営者の視点で投資ステージに見合った予算配分を短期間で柔軟に決定し適切なタイミングで投資する「リーンポートフォリオマネジメント」や、自発的に手本を示しリーンアジャイルのマインドセットを学び実践し変革をリードしていく「リーンアジャイルリーダーシップ」などの概念を取り入れている。
Scaled Agile日本法人のカントリーマネジャーである古場達朗氏は「世界に比べて日本のDXへの取り組みが遅れていると見られているが、コロナ禍で一気に加速する兆しが見え始めている。このタイミングで日本市場への取り組みを本格化させることで、存在感を高めたい」と語っている。
ハードウェア製造もターゲットに
また、最新バージョンである「SAFe 5」では、ビジネスオペレーションにおけるマーケティング活動をガイドする「SAFe for Marketing」やリーンアジャイルのプラクティスをビジネスに適用するためのガイダンスが追加されている。さらに、ハードウェア開発に適用したガイドなども追加したという。
古場氏は「製造業は重要ターゲットの1つだと位置付けている。ソフトウェア開発だけでなくハードウェア開発のアジャイル化などにも対応し、組織や体制の変革などを支援していく。モデルベース開発なども対象となる」と話している。
既に海外の導入企業にはフェデックス、アメリカン・エキスプレス、インテル、メットライフ、ボッシュ、アストラゼネカ、エールフランス-KLM、ロッキードマーティン、シェブロン、ノキア、シスコ、ペプシコなどがある。日本ではNTTデータが、導入している。なお、NTTデータはパートナー企業として、日本市場での展開も担うという。
日本市場での具体的な取り組みは、市場認知の向上、パートナーモデル推進、顧客実践と事例の公開、SAFeコミュニティーの成長、日本語対応の拡大などに取り組む。これらを推進し「3年後には、認定者1万人以上、導入企業50社以上、ビジネス規模は5倍以上を目指す」(古場氏)としている。
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