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ツール用ケーブルの干渉を低減する中空構造ハンドリングロボット:FAニュース
ダイヘンは、100kg可搬の中空構造ハンドリングロボット「FD-B100」を発売した。ロボット先端に取り付けるツール用のケーブルを中空構造のアームに収納可能で、ケーブルがワークや治具へ干渉するのを防ぐ。
ダイヘンは2021年1月14日、100kg可搬の中空構造ハンドリングロボット「FD-B100」を発売した。価格はオープンで、年間200台の販売を見込む。
手首軸(J6軸)とショルダ軸(J4軸)が口径63mmの中空構造になっているため、ロボットアームの先端に取り付けるツールに付属するケーブルをロボット上腕部に収納できる。これにより、ワークや治具へのケーブルの干渉を低減し、ロボット教示のプログラミングにおいてケーブルの挙動や干渉を予測するための時間も不要になる。
また、ツールの通信線や配管用のアプリケーションケーブル28本、エア配管2本、デバイスネットケーブルを標準で装備。手首軸とショルダ軸の中空に加え、ベースからショルダ部のコネクターボックスまで、全てのツール用ケーブルをロボットに内蔵できる。
設置方法は床置き、天吊りに対応し、旋回半径485mmの狭い干渉半径と広い動作範囲を両立しているため、高密度設置が可能。現場の省スペース化に貢献する。
手首の可搬重量は100kg。高速動作でタクトタイムを短縮する。また、悪環境でも使用可能な防塵防水性能を備えており、手首軸はIP65、基本軸はIP54に準拠する。主な用途として、マテリアルハンドリング、切削、研磨、シーリング、工程間搬送などを想定している。
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