製造現場の制御データと映像を同時に記録する、FAカメラとレコーダーユニット:FAニュース
三菱電機は、生産現場の制御データと映像を同時に記録できる「カメラレコーダユニット」と、高精度録画が可能な「高速フレームレートFAカメラ」を発表した。装置制御のプログラムと関連付けることで、装置トラブルの遠隔解析が容易にできる。
三菱電機は2020年12月10日、生産現場の制御データと映像を同時に記録できる「カメラレコーダユニット」と高精度録画が可能なネットワークカメラ「高速フレームレートFAカメラ」を発表した。価格は、カメラレコーダユニットは18万円(税別)、高速フレームレートFAカメラはオープン。どちらも2021年1月29日に発売する。
カメラレコーダユニットは、ネットワークカメラの標準規格「ONVIF Profile S」に対応し、さまざまなカメラと接続可能だ。ロギング(データ記録)の開始条件と記録時間を指定するだけで、容易に設定できる。
生産現場の装置の制御データとカメラの映像を同時に記録するだけでなく、制御データと映像、装置を制御するシーケンサーのプログラムを関連付けることで、生産現場で発生したトラブルの解析が容易になり、トラブルから早く復旧できる。また、同ユニットは遠隔での解析も可能で、装置管理者のリモートワークの推進に貢献する。
プログラムの関連付けには、別売りのシーケンサーエンジニアリングソフトウェア「MELSOFT GX Works3」が必要となる。MELSOFT GX Works3は、同ユニットおよびFAカメラの発売日と同じ2021年1月29日にバージョンアップを予定している。
高速フレームレートFAカメラは、カメラレコーダユニットと連携することで、カメラとシーケンサー間の時刻同期を高精度に実行する。毎秒200フレームと高性能で、従来のネットワークカメラでは撮影が困難だった高速移動体も撮影可能だ。また、可変焦点レンズを採用しており、カメラ設置後も撮影範囲を簡単に変更できる。
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