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2020年11月はトヨタホンダスズキが前年超え、乗用車メーカーの生産実績まとめ自動車メーカー生産動向(2/2 ページ)

日系乗用車メーカー8社の2020年11月のグローバル生産実績は、トヨタ自動車、ホンダ、スズキの3社が前年実績を上回った。このうちトヨタは11月としては過去最高となった他、世界販売でも過去最高を更新した。全体的な傾向としては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大で大きなダメージを受けた自動車需要の回復傾向が続いているものの、欧州での再感染による主要都市でのロックダウンや、変異種の感染が広がるなど、世界の自動車市場は依然として不透明な状況が続いている。

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スズキはインドが4カ月連続で増加

 スズキの11月のグローバル生産は、前年同月比1.0%増の26万7823台と4カ月連続で増加した。グローバル生産の半数以上を占めるインドが祭事期の特需をにらんで増産したこともあり好調に推移。インド生産は同5.9%増と4カ月連続で増加した。その結果、海外生産も同2.0%増の17万9758台と3カ月連続でプラスを確保した。ただ、足元のインド販売は5カ月ぶりにマイナスとなるなど、不透明感も漂っている。国内生産は前年同月比0.9%減の8万8065台と6カ月ぶりに減少した。「ハスラー」の新型車効果や輸出の増加は続いているが、「スペーシア」「ワゴンR」「ソリオ」など主力モデルの販売減が響いた。

マツダは3カ月ぶりにマイナス

 マツダの11月のグローバル生産台数は、前年同月比9.6%減の12万618台と3カ月ぶりに減少した。国内生産は同3.8%減の7万8204台で、2カ月ぶりのマイナスだ。輸出は同7.2%増と堅調に推移しており「CX-5」や「CX-30」は伸長したものの、主力車種の「マツダ3」が同24.6%減と落ち込みが目立った。

 海外生産も前年同月比18.6%減の4万2414台と3カ月ぶりの減少となった。メキシコはCX-30の増加により同1.2%増とプラスを確保。一方、中国は、前年に「CX-4」を大幅改良で増産した反動が発生した他、生産ラインの改修で「マツダ6」を減産したため、同33.3%減と台数を大きく落とした。タイもピックアップトラック「BT-50」の生産終了や需要に応じた生産調整などにより同8.6%減だった。

ダイハツは東南アジアが依然として厳しい

 国内外で大幅減となったのがダイハツだ。11月のグローバル生産台数は、前年同月比19.1%減の11万9865台と9カ月連続で減少し、8社の順位もマツダを下回った。国内は10月までの大幅増から一転し、同17.9%減の7万791台と3カ月ぶりの前年割れだ。

 これは、2019年に「ロッキー」とトヨタ向けにOEM供給する「ライズ」の投入に合わせて生産を増やしていたことの反動が大きく現れた。さらに、樹脂バックドアなどの調達先であるエイエフティーの塗装ラインで火災が発生。部品供給が滞ったため、本社工場と滋賀第2工場で約2週間生産を停止した。これによりロッキー/ライズ兄弟の他、9月に大幅改良を実施した「トール/ルーミー(トヨタ向けOEM)」や、「ブーン/パッソ(同)」「タント」「ムーヴキャンバス」などの生産に影響を及ぼした。その結果、登録車の生産は同43.2%減の大幅減となった。ただ、軽自動車は同2.6%減にとどめている。

 東南アジア向けが主体の海外生産も依然として厳しい。海外生産は前年同月比20.9%減の4万9074台と9カ月連続のマイナス。ただ、減少幅は10月から9.6ポイント改善している。マレーシアは政府の売上税減免措置などの政策により回復基調が続いているものの、インドネシアは同38.3%減と深刻で、回復の道筋が見えない状況といえる。

三菱自は海外生産のマイナス幅が縮小

 三菱自も厳しい状況が続いている。11月のグローバル生産は前年同月比25.7%減の8万4179台と15カ月連続で減少。減少幅は10月より7.3ポイント改善した。国内は同32.2%減の3万6542台で8カ月連続のマイナスで、減少幅も10月から10.5ポイント悪化した。「eKスペース」の新型車効果があったものの、「eKワゴン」や「アウトランダーPHEV」「エクリプスクロス」など主力モデルの販売が低迷した他、輸出も同47.2%減と不振だった。

 海外生産は前年同月比19.9%減の4万7637台と14カ月連続のマイナス。依然として2桁減が続くが、減少幅は10月より21.8ポイントと大きく改善した。主力拠点のタイが同14.1%減と、10月より25.9ポイント改善した他、他社に比べて回復が遅れていた中国も同2.5%増とプラスへ転じた。

スバルはコンテナ港の混雑で稼働停止に

 新車需要とは異なる要因でCOVID-19の影響を受けているのがスバルだ。海外唯一の生産拠点である米国工場では、コンテナ港の混雑による影響が深刻化。部品供給の滞りにより2日間の稼働停止を余儀なくされるなど、生産調整を続けている。その結果、海外生産は前年同月比33.6%減の2万2661台と2カ月連続のマイナスとなった。

 国内生産も、2019年が台風による操業停止の挽回生産を実施したため、前年同月比8.2%減の5万8503台と3カ月ぶりに減少した。輸出も同6.4%減と4カ月ぶりの前年割れだった。その結果、11月のグローバル生産台数は同17.1%減の8万1164台と2桁減となり、5カ月ぶりに減少へ転じた。

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