省エネを考慮した開発を支援、システムレベル熱流体シミュレーションソフト:CAEニュース
サイバネットシステムは、システムレベル熱流体シミュレーションソフトウェア「Flownex」を発売した。上流段階でシステム全体の最適化を図れ、環境問題や省エネルギー対策を考慮した循環システムの開発を支援する。
サイバネットシステムは2020年11月11日、燃焼器の循環システムに特化した、システムレベル熱流体シミュレーションソフトウェア「Flownex Simulation Environment(フローネックス・シミュレーション・エンヴァイロメント)」を発売した。M-Tech Industrialとの販売代理店契約により、同社が日本での販売と技術サポートを開始した。
製品開発の上流段階でシステム全体を最適化でき、環境問題や省エネルギー対策を考慮した循環システムの開発を支援する。発電プラントや空調設備などの大規模システムから、タービン、ポンプなど機器レベルのシステムまで、熱移動、高速流れ、二相流れ、相変化、燃焼が絡む複雑な循環システム全体を解析できる。
全体を俯瞰してコンポーネントの相互作用を把握できるため、複雑なシステムを最適化し、省エネルギー性能の向上やライフサイクルコストの低減に貢献する。
配管やバルブ、熱交換器、ポンプ、タービン、制御機器など、豊富なコンポーネントのライブラリを搭載。これらを組み合わせることで、多様なシミュレーションモデルを容易に構築でき、解析時間を大幅に短縮する。
同社が提供するマルチフィジックス解析ソフトウェア「Ansys(アンシス)」と併用すれば、1Dと3Dを連携したシミュレーションも可能だ。詳細な性能把握が必要な重要コンポーネントの解析はAnsys(3D)が担い、その性能をFlownex(1D)に取り込むことで、高精度かつ高速なシステムシミュレーションが可能になり、製品品質を向上できる。
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