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日本の交通の動向と新型コロナウイルスが及ぼした影響:交通政策白書2020を読み解く(前編)(4/6 ページ)
本稿では、交通政策白書2020の「要旨」を基に、第1部、第2部と順を追って内容を概観する。前編ではコロナウイルス感染症の影響も含めた、交通の動向について見ていきたい。
交通事業などの動向
2018年の運輸・郵便業(以下、交通事業という)の国内総生産は28.3兆円であり、日本の国内総生産全体の5.2%を占めている。2000年からの推移を見ると、2007年までは全体の国内総生産を上回る伸びを見せたものの、リーマンショックの発生した2008年に大きく落ち込み、近年は回復している(図20、図21)。
業者数については、旅客輸送関係ではタクシーが最も多く、貨物輸送関係ではトラックが最も多い。また、自動車整備事業者も非常に多い結果となっている。雇用者数について見ると、常用雇用者数が30人以上の企業などの割合は、産業全体では5%程度にとどまるのに対し、交通事業は20%程度と高く、中でも鉄道と航空は半数程度と高い(図22、図23)。
2018年の交通事業の就業者数は341万人で、全産業の就業者数の5.1%を占めており、そのシェアは、交通事業の国内総生産におけるシェアとほぼ等しい(図24、図25)。
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