自律4足歩行ロボットにROSを搭載したパッケージ品を発売:ロボット開発ニュース
アルテックは、自律4足歩行ロボット「SPOT」にROSを搭載した「SPOT用Clearpath ROSパッケージ」を発売した。起動後すぐに動作可能で、ROS対応のセンサーなどと統合することで、用途に合わせてSPOTをカスタマイズできる。
アルテックは2020年10月26日、カナダのClearpath Roboticsが開発した、自律4足歩行ロボット「SPOT」にROS(ロボットOS)を搭載する「SPOT用Clearpath ROSパッケージ」を発売したと発表した。
SPOTは、米国のBoston Dynamicsが開発した、カスタマイズ可能な自律4足歩行ロボット。最大30度の勾配に対応可能で、起伏のある屋外の不整地や屋内の狭い空間を移動できる。ペイロードは合計14kgまでとなっている。
サイズは1110×500×840mm、重量が32.5kgで、最高毎秒1.6mの速さで移動する。建設現場の状況確認や放射線検出の監視、環境モニタリングといったさまざまなシチュエーションで利用可能だ。
アルテックが提供するSPOT用Clearpath ROSパッケージは、ROS搭載により、起動するとすぐに動作するため、新たなインタフェースの学習やROSドライバ開発は必要ない。5つのオンボードカメラを通してオドメトリーや画像、点群データ、追加のペイロードデータなど、全てのオンボードセンシングデータストリームにアクセスできる。
また、同パッケージは拡張性に優れており、SPOTが搭載する専用コンピュータや電源、通信インタフェース、ペイロードマウントシステムと、ROSが対応するセンサーやレーダー、マニピュレーターなどを統合することで、用途に合わせてSPOTをカスタマイズできる。
SPOT用Clearpath ROSパッケージには、初期サポートとセットアップドキュメントが含まれる。アルテックでは、用途に応じたペイロード構成を選択して、同パッケージの導入を支援するサービスも提供する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ロボット開発で注目される「ROS」(Robot Operating System)とは何か
ロボットの話題を聞くことが増えたが、判断と制御、駆動を備えたロボットを作るのはかなり骨が折れる。その負担を軽減するフレームワークが「ROS」(Robot Operating System)だ。 - ロボットに使われる分散処理、なぜ「ROS」が好まれるのか
ロボットの制御には集中管理よりも分散処理の方が都合が良く、さまざまなものが登場しているが、その中で一番有名なのが「ROS(Robot Operating System)」である。ではなぜROSが有名なのか。 - ROSを使う手順、パッケージとシミュレータの活用
ロボット開発に有用とされるROSだが、習得には対応ロボットを入手した方が手っ取り早い。利用開始までの手順と、併用したいツールやデバッガも紹介する。 - 壊れない2足歩行ロボットが進化、ハンコ自動押しロボの実力は?――iREX2019サービスロボットレポート
過去最大規模の開催となった「2019国際ロボット展(iREX2019)」。本稿では、サービスロボットゾーンの展示を中心にレポートする。川崎重工業とトヨタ自動車のヒューマノイドロボットが進化していた他、遠隔操縦に用いるアバターロットの他、協働ロボットがハンコを自動で押印するロボットなどに注目が集まった。 - ソフトバンクがロボットベンチャー2社を買収
ソフトバンクグループは、米国アルファベット傘下のボストンダイナミクスを買収する。さらに、二足歩行ロボットを開発する日本企業の Schaftの買収も行う。 - “ロボット犬”が工場設備の配置データを収集、フォード工場でライン改善に
Ford Motor(フォード)は2020年7月27日、“ロボット犬”によって製造設備の3D点群データを自動取得するパイロットプロジェクトについて発表した。同プロジェクトは米国ミシガン州のヴァンダイクにあるトランスミッション工場で実施している。