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10年後、20年後、30年後、私たちはどうやって移動しているのか自動車業界の1週間を振り返る(1/2 ページ)

みなさんこんにちは。金曜日です。今週は火曜日に文化の日があり、一般的なカレンダーでは祝日でした。会社(あるいは業界)のカレンダーの都合で稼働日だった方、月曜日も休んで4連休を満喫された方、1日だけ休んだ方、どの過ごし方が多かったのでしょうか。今週の一番の出来事といえば、米国大統領選挙ですね。

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 みなさんこんにちは。金曜日です。今週は火曜日に文化の日があり、一般的なカレンダーでは祝日でした。会社(あるいは業界)のカレンダーの都合で稼働日だった方、月曜日も休んで4連休を満喫された方、1日だけ休んだ方、どの過ごし方が多かったのでしょうか。

 今週の一番の出来事といえば、米国大統領選挙ですね。投票日の前から思い出していたのは、マイケル・ムーア氏が監督を務めたドキュメンタリー映画「華氏119」(華氏911とはまた別の映画)です。


Uberから届いたメールの文面(クリックして拡大)

 これは単なる“アンチ・トランプ”の映画ではありません。政治のトップが変わることで一般市民の生活にどんな変化が起きたのか、権力が腐敗したときに元の生活を取り戻すことがどれだけ難しいかが描かれています。「投票しなかった人が巡り巡ってトランプの当選を後押ししたのだ」という痛烈な指摘も、随所に盛り込まれていました。

 この映画の影響力がいかほどかは分かりませんが、俳優など著名人や有名企業も連日「投票しよう」と呼びかけていましたね。

 驚いたのは、Uberから届いた米国のユーザー向けのメールです(米国で何度か配車サービスを使ったので届いたようです)。「投票所までの半額配車チケット」「投票所に無料で食べ物を届けます、投票の長い順番待ちの間にどうぞ」などという魅力的なフレーズが並んでいました。

 今週あった自動車メーカーの決算会見でも、大統領選挙に関する質問が何度もありました。自動車メーカーのトップが選挙の行く末について見解を述べてくれるはずがないのですが、きっと心の中には期待する(あるいは望ましくない)政策があることでしょう。個人的には、自動車に限らず、テクノロジーや製造業が必要以上に振り回されない政治を望みます。

2050年、2030年、そして足元の2020年

 ここからはMONOistで今週掲載した自動車関連の記事を振り返ります。まずは和田憲一郎さんの連載「電動化新時代!」の最新記事『日本は「自動車産業After2050」を考えるときではないか』です。

 各国の環境規制を見ると、早い国では2025年から新車販売をターゲットにゼロエミッション車の販売比率を100%にすることが求められます。国によって時期はばらつきますが、2030年、2035年、2040年……と具体的な時期を示してゼロエミッション車の販売構成を引き上げるよう要請しています。「それでは2050年以降はどうなる?」という視点で考察しているのが今回の記事です。

 2050年まであと30年です。今から行動すれば、自動車の開発でいろいろなことをやる余裕があります。クルマどころか、街ごとガラッと変える時間もあります。2050年に私は60歳になるのですが、まだまだ現役で活動していることでしょう。そのときに自分がどうやって移動するのか考えてみると、なかなか楽しいです。

 この記事で興味深いのは「自動車メーカーと電力会社が新たなモビリティと電力システムの在り方を共同開発することも考えられる」という指摘です。ゼロエミッション車が多数派になってきたとき、現在のように充電コネクターをつなぐしか電力を供給する方法しかないとは考えにくいです。充電にかかる電気料金の在り方、車両を蓄電池とみなしてどのように活用できるか、ワイヤレス給電などの新しい充電方法は……と考えると、電力業界と自動車業界の連携は不可欠ですね。

 この内容とも関わりが深いですが、三菱自動車が2030年に向けて電動車比率を大幅に引き上げることも発表しました(記事はこちら:三菱自は2030年に電動車比率50%を目指す、2019年の6.6%から大幅アップ)。

 同社の2019年度の販売台数は約112万7000台でした。2020年度は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で台数は大幅に減少しますが、中期経営計画の最終年度となる2022年度には105万4000台をターゲットとしています。同社はASEANを成長ドライバーとしていますので、順調にいけば2030年の販売台数の規模は2022年度よりも大きくなると考えられます。バッテリーをはじめ電動車に不可欠な部品を安定して調達できるか、ASEANでクルマを充電する電力供給の在り方はどうなるか、考えるべきことはつながっていますね。

 三菱自動車は2020年度上期の決算も発表しました。826億円の営業損失で、上期としては4年ぶりの赤字となりました。COVID-19の影響による販売減少で937億円のマイナスとなりましたが、前年同期から20%減となる固定費削減を実施しました。通期の業績予想は、売上高が前期比34.8%減の1兆4800億円、営業損益が1400億円の損失、当期純損益が3600億円の損失としています。

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