190〜800kg可搬のパレタイジング用途ロボット4機種、異常時の警告機能など採用:産業用ロボット
安川電機は、新型パレタイジング用途ロボット「MOTOMAN-PL」シリーズ4機種を発売した。ロボットコントローラー「YRC1000」に対応するとともに、省エネ性能やメンテナンス性を向上している。
安川電機は2020年10月13日、新型パレタイジング用途ロボット「MOTOMAN-PL」シリーズ4機種を発売した。ロボットコントローラー「YRC1000」に対応するとともに、省エネ性能やメンテナンス性を向上している。価格はオープン。
今回発売したのは、可搬質量190kgの「MOTOMAN-PL190」、可搬質量320kgの「MOTOMAN-PL320」、可搬質量500kgの「MOTOMAN-PL500」、可搬質量800kgの「MOTOMAN-PL800」の4機種。最大リーチは全て3159mmとなる。MOTOMAN-PL190、同320は、従来シリーズに比べてスリム化したほか、可搬質量が向上している。
アーム先端の手首軸には、大口径の中空構造を採用。大容量の配管をアーム内に収め、周辺機器やロボットアームとの干渉をなくした。また、高さ方向に広い動作範囲を有し、各種パレットサイズに最適な積み上げ作業ができる。
YRC1000には、モーター減速時に発生するエネルギーを有効活用する電源回生機能を搭載し、ロボット消費電力量の約30%を削減する。ロボットとコントローラー間の接続はケーブル1本で対応。大幅にセットアップ時の配線時間を短縮し、設備の配線を少なくする。
マニピュレーター内部の通信線の断線や各軸サーボモーターのエンコーダー異常が発生した際は、異常アラームをプログラミングペンダント上に表示する。また、各部位にマルチポートを標準で搭載。通信線が断線した際の仮復旧や、異常箇所特定のための仮配線ができ、仮復旧、仮配線にかかる時間を短縮する。
さらに、パレタイズ専用アプリケーションソフト「MotoPal」により、コンベヤーやステーション位置、製品のサイズ、積み付けパターンなどを設定するだけでロボットの動作プログラムを自動で生成できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- いまさら聞けない産業用ロボット入門〔前編〕
日本は「ロボット大国」とも呼ばれていますが、その根幹を支えているのが「産業用ロボット」です。それは世界の産業用ロボット市場で圧倒的に日本企業がシェアを握っているからです。では、この産業用ロボットについてあなたはどれくらい知っていますか? 今やあらゆるモノの製造に欠かせない産業用ロボットの本質と基礎を解説します。 - 製造現場での普及を2倍に、ロボット新戦略が目指すロボットと共に働く未来
日本政府が主催する「ロボット革命実現会議」は、ロボット活用の技術的および規制面でのロードマップを示した「ロボット新戦略」を発表した。本稿では、この新戦略の中で示されている「モノづくり」分野への取り組みにフォーカスし、その内容を紹介する。 - ロボット活用拡大のボトルネック、ロボットインテグレーターの現実
あらゆる現場で労働人口不足などが深刻化する中、その解決策としてロボット活用への期待が高まっている。しかし、現実的にはロボットを現場で実装するロボットシステムインテグレーターが不足しており、ロボット活用の裾野が広がらない状況になっている。経済産業省 関東経済産業局がまとめた「ロボットシステムインテグレーターに関する調査結果」の内容をまとめた。 - 工場自動化のホワイトスペースを狙え、主戦場は「搬送」と「検査」か
労働力不足が加速する中、人手がかかる作業を低減し省力化を目的とした「自動化」への関心が高まっている。製造現場では以前から「自動化」が進んでいるが、2019年は従来の空白地域の自動化が大きく加速する見込みだ。具体的には「搬送」と「検査」の自動化が広がる。 - 物流崩壊から2年、ユニクロが全自動倉庫に取り組む理由(前編)
ユニクロなどを展開するファーストリテイリングとダイフクは2018年10月9日、戦略的グローバルパートナーシップを結んだことを発表した。全自動倉庫を含む物流の抜本的効率化に共同で取り組む。本稿では前後編に分け、ファーストリテイリンググループの物流改革の取り組みと全自動倉庫の全容について紹介する。 - 物流崩壊から2年、ユニクロが全自動倉庫に取り組む理由(後編)
ユニクロなどを展開するファーストリテイリングとダイフクは2018年10月9日、戦略的グローバルパートナーシップを結んだことを発表した。全自動倉庫を含む物流の抜本的効率化に共同で取り組む。後編では全自動倉庫の全容について紹介する。