価格1万2000円でIoTによる制御を実現、「からくり」を拡張する簡単コントローラー:簡単自動化(2/2 ページ)
工場向けアルミフレームを展開するSUSは「誰でも初めてでも使える」ことをコンセプトとしたFA向けコントローラー「SiO」シリーズを拡張し、イーサネット接続機能とデータ活用支援ソフトを追加した「SiO t」を2020年9月に発売した。「制御」と「IoTによるデータ活用」を簡単に実現することで、スマート工場化への取り組みの裾野を広げていく方針だ。
ポイントとなるデータ活用支援ソフト
ポイントとなるのが、無償提供されるデータ活用支援ソフト「IoT Programmer」である。これは、接続機器を選択し、アイコン化されたアプリケーションを選択するだけで簡単にデータ活用を開始できるというソフトウェアである。アプリケーションとしては「メール送信」「インジケーターとして表示」「ログファイル保存」「カウンター」「警告画面」「サウンド」「動画撮影」「タクトタイムの計測」などが用意されているが「要望を受け次第、拡張していく。ハードウェア構成などはシンプルさを追求しているが、アプリケーションは多ければ多い方がよいという考え方だ。積極的に広げていく」と辻氏は語っている。
これにより、例えば、センサーに反応があると動画撮影を開始するというようなシステムや、バーコードリーダーで読み取ったバーコードのデータをPCに記録し、後でバーコードを読み取った際に誤ったものが選択されれば、警告を表示するようなシステムなども簡単に構築できるようになる。
「PCと接続可能としたことによる大きなメリットは、安くて手軽な機器との連携が簡単に行えるようになったことだ。Webカメラやバーコードリーダーなど、業務用の専用機器を買うには数万円〜数十万円必要になるが、PCの周辺機器として半民生製品のようなものを使えば数千円程度で用意できる」と辻氏は利点について述べる。
「SiO t」の販売目標は初年度1000台、3年後に1万台を目指すという。辻氏は「展示会などでIoT関連の出展は非常に増えているが、工場などでの実際の声を聞いてみると高すぎる場面が多い。今IoTとして提案されているものではまる領域は問題ないが、もっと簡単で手軽に行いたいというニーズがあると考えている。そういう層にまずは“最初の一歩”として使ってもらえるような製品を作りたかった。『SiO t』でも十分な領域も多く存在すると見ているが、まずは試してより高度なシステムに広げていくという場合でも使ってもらえる」と語っている。
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