業務用ドローン向けの航空測量LiDARとフルサイズセンサーカメラを発表:ドローン
DJIは、ドローン向けの航空測量ソリューション「DJI Zenmuse L1」とフルサイズセンサーカメラ「DJI Zenmuse P1」を発表した。ともに業務用ドローン用に設計されており、要求が厳しい測量やマッピング、建設分野での利用に適している。
DJIは2020年10月15日、ドローン向けの航空測量ソリューション「DJI Zenmuse L1」とフルサイズセンサーカメラ「DJI Zenmuse P1」を発表した。業務用ドローン「Matrice 300 RTK」向けに設計されており、要求が厳しい測量やマッピング、建設分野での利用に適している。
DJI Zenmuse L1は、同社初の航空測量向けLiDAR(ライダー、Light Detection and Ranging)ソリューションだ。トゥルーカラー点群モデルをリアルタイムで生成したり、一度の飛行で最大2km2までの領域の点群データを取得したりできる。また、毎秒24万点の点率と190mの測定距離(反射率10%、100kルクス)で、品質の高いLiDARデータを高速かつ容易に取得できる。
保護等級「IP44」に準拠しており、雨や霧など天候が良くない状況でも作業可能で、林冠や枝葉の植生なども把握できるため、植生密度や成長傾向といった農業、林業分野において有用な情報を取得できる。さらに、石油やガス、鉱業、インフラ整備など危険性が高い環境にも対応する。
DJI Zenmuse P1は、地理空間データ収集に特化されたドローン向けカメラ。45Mピクセルのフルサイズセンサーが用いられており、3軸ジンバルスタビライザー上で24、35、50mmの単焦点レンズを交換できる。
また、メカニカルシャッターを搭載した他、マイクロ秒単位でモジュール間の時間を同期できる「TimeSync 2.0」システムを採用。3Dモデリングに適したオブリーク撮影が可能なスマートオブリークキャプチャー機能も搭載する。位置、方向の即時補正技術と組み合わせることで、cmレベルの高精度データを取得可能なため、地質調査、自然環境遺産の保全、水力工学などでの測量作業の効率を向上する。
両製品は2021年初頭の出荷が予定しており、同社の正規代理店で先行予約を受け付けている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- レーザー距離計で撮影対象をロックオン! DJIが新型産業用ドローン発売
DJIは産業用ドローンプラットフォーム「Matrice 300 RTK」やハイブリッドカメラ「Zenmuse H20T」などのオンライン説明会を開催した。対象物の追跡や記録撮影を効率化するための仕組みが施されている。 - 時速100kmのドローンが衝突回避、1km四方で100機飛ばす管制システムの検証も
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と福島県南相馬市は2019年4月10日、東京都内で会見を開き、ロボット関連人材の育成などに関する協力協定を締結したと発表した。具体的な協力として、2019年度はさまざまな企業が参加して1km2のエリアで100機のドローンを飛ばす他、南相馬市ー浪江町間の13kmで長距離飛行試験を予定している。 - ドローンが300℃の火の中を飛ぶ、チタンとマグネシウム、ジルコニア塗装で
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とドローンメーカーのエンルートは2019年3月6日、東京都内で記者会見を開き、火災現場への進入と火元での近距離空撮が可能な耐火型ドローンを開発したと発表した。2019年10月から受注を開始し、2020年春から納入する。価格は現時点では非公表。目標販売台数は500台。 - 2020年のドローン世界市場は1.6兆円、2025年まで年平均8.3%で成長
矢野経済研究所が、世界のドローン市場の調査結果を発表した。2018年のドローン世界市場規模は軍用と民生の両需要を合計すると約1.6兆円で、2020〜2025年の年平均成長率を8.3%と予測している。 - 大災害の復旧支援に貢献、中部大発ベンチャーが長距離無人航空機の実用化へ
テラ・ラボは2020年5月20日、DRONE FUNDなどから総額3億円の資金調達に成功したと発表。今後は南海トラフ地震発生時などでの活躍を見込む長距離無人航空機や情報共有システムの事業化を目指す。 - 中国の産業用ドローンメーカー大手との共同事業を検討
VAIOは、中国のドローンメーカー深圳科比特航空科技と日本国内にて既存の機体を基にした事業の可能性を検討する。将来的には、日本市場に合わせた機体などの商品企画および開発も視野に入れる。