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日本版Formnext、多彩な材料に対応する3Dプリンタが集結Formnext Forum Tokyo 2020(3/3 ページ)

2020年9月24〜25日の2日間、ドイツ・フランクフルト発の積層造形技術の見本市「Formnext」の日本版といえる「フォームネクストフォーラム 東京 2020」が東京都内で開催された。本稿では、展示ブースの模様を中心に同イベントの様子をレポートする。

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SUS430の造形事例や最適化設計などを披露:SOLIZE Products

 SOLIZEグループ傘下であるSOLIZE Productsは、3Dプリンティングエンジニアリングサービスを手掛ける企業だ。同社は、金属3Dプリンタ、SLA方式3Dプリンタ、粉末焼結積層造形(SLS)方式3Dプリンタ、インクジェット方式3Dプリンタ、Multi Jet Fusion方式3Dプリンタ(HP)など多数の装置を保有する。

 展示会場では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止に貢献すべく、東京都医師会を通じて医療機関向けに、Multi Jet Fusionを用いて製造したフェイスシールド用フレームを紹介。こちらには、生体適合性材料が使われているという。

SOLIZE Productsが「Multi Jet Fusion」で製作したフレームを用いたフェイスシールド
画像10 SOLIZE Productsが「Multi Jet Fusion」で製作したフレームを用いたフェイスシールド [クリックで拡大]

 さらに、フェライト系ステンレス鋼(SUS430)で造形した事例を紹介。SUS430による造形条件を「世界で初めて」(同社)確立したとする。SUS430は自動車部品の中でも、吸排気系のパーツに採用されるケースが多いとのことで、インテークマニホールドの造形サンプルを展示していた。

SUS430で造形したインテークマニホールド
画像11 SUS430で造形したインテークマニホールド [クリックで拡大]

 その他、最適化設計を施した3Dデータの造形についても紹介していた。最適化設計関連の引き合いは、年々増えてきているという。これまでは、3Dプリンタの生産性や強度などがネックとなり、“最適化設計したものをどうやって形にするか”が課題となっていたが、「近年、強度の高いナイロン素材にも対応し、かつ造形スピードの速いMulti Jet Fusionが登場したことにより、そうした課題が解消された」(説明員)という。また、最終製品への適用も増えており、Multi Jet Fusionで出力した造形物の風合いをデザイン(意匠)として用いるケースも出てきているとのことだ。

3Dプリンタを使い分け、訴求力のあるモックを製作:アビスト

 工業設計関連の受託や技術者派遣を行うアビストは、3Dプリンタの受託造形事業(サービスビューロ)も展開している。同社は、金属、樹脂、軟性材料に対応する複数の3Dプリンタを完備する。積層造形の他、切削加工による二次加工、真空注型、高精密3Dスキャナーの測定などにも対応している。

 今回の展示では、同社が取り扱うバラエティーに富む3Dプリント技術や造形事例を披露した。

 同社は、顧客から3Dデータを受け取って受託造形するだけではなく、顧客課題を解消するために必要な造形技術、材料、設計手法の提案なども行う。また、展示用などのモックアップ製作も手掛け、例えば、透明の造形物を利用したり、造形物に塗装や磨きといった後加工を施したりするなどし、3Dプリンタを活用した訴求力のあるモックアップ作りにも取り組んでいるという。

タービン部品の構成説明用のモデル
画像12 タービン部品の構成説明用のモデル [クリックで拡大]
ピストンの部品構成紹介用のモデル
画像13 ピストンの部品構成紹介用のモデル [クリックで拡大]

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