デンソーが最新型の電池監視IC、電圧の高精度検出と多セル監視を両立は「世界初」:車載半導体
デンソーは2020年10月13日、次期型のリチウムイオン電池監視ICを開発したと発表した。電池電圧の高精度な検出と、監視できる電池セル数の増加を両立し、駆動用バッテリーをこれまでより効率よく使用できるようにする。
デンソーは2020年10月13日、次期型のリチウムイオン電池監視ICを開発したと発表した。電池電圧の高精度な検出と、監視できる電池セル数の増加を両立し、駆動用バッテリーをこれまでより効率よく使用できるようにする。トヨタ自動車が2020年2月に発売したコンパクトカー「ヤリス」に搭載されており、今後もリチウムイオン電池を搭載するさまざまな電動車に搭載される予定だ。駆動用バッテリーのリチウムイオン電池を効率よく使用することで、燃費改善や走行距離の拡大に貢献する。
次期型リチウムイオン電池監視ICは、デンソーが2015年に開発した従来型と比べて、電池電圧の検出精度は3倍に、監視できる電池セル数は1.2倍に向上させた。検出誤差は±3mV以内、監視セル数はIC1個当たり25chだ。電池電圧の高精度検出と多セル監視を両立させた製品は「世界初」(デンソー)だという。また、微細加工技術と、豊田中央研究所と共同開発した独自の高耐圧素子の採用により、電池ECUに搭載するICや周辺部品点数を減らしており、電池ECUの小型化と低コスト化を実現する。
デンソーは、トヨタ自動車でECUやICなど電子部品事業を担ってきた広瀬工場を引き継ぎ、2020年4月からデンソーの広瀬製作所として稼働させている。車載用半導体や電子部品で高い専門性を持つデンソーに事業を集約することにより、スピーディーかつ競争力のある開発・生産体制を構築するとともに、限られたリソースを有効に活用することで、グループ全体で競争力を向上させる狙いだ。
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