金属から文字が!? 燕三条の金属加工技術が生んだ「マジックメタル」を限定販売:メカ設計ニュース
銀座 蔦屋書店は2020年10月12日、武田金型製作所と共同で、店頭・オンラインストア限定「マジックメタルキューブ」の販売を開始した。
“アートのある暮らし”を提案する銀座 蔦屋書店は2020年10月12日、武田金型製作所(新潟県燕市)と共同で、店頭・オンラインストア限定「マジックメタルキューブ」の販売を開始したことを発表した。
「マジックメタル」とは、金属ブロックの表面から文字が浮き上がったり、消えたりするように見える不思議な製品。手掛けるのは、金属加工で有名な新潟県・燕三条地区で、金属製品用プレス金型の設計/製作などを行う武田金型製作所(創業1978年)だ。ワイヤ放電加工により、3μmの精度で金属ブロックから浮き出る文字部分と台座部分をそれぞれ切り出すことで実現。浮き出した文字を完全に押し込むと、肉眼では“きれいな面”のように見えるため、文字が消えたように感じる。
マジックメタルは、当初、武田金型製作所が自社技術をPRするため、展示会向けに製作したもの。その後、浮かび上がった文字が消える様子をYouTubeに投稿したところ、SNSなどで拡散され大きな話題を呼んだことで知られている。
まずは全5種で展開、オーダーメイドにも対応
銀座 蔦屋書店は開店以来、アートと日本文化を提案する書店として、日本の伝統的な技術、革新的なモノづくりを行う職人を応援してきたという。今回、武田金型製作所と共同で、日本語として美しい「美」や、コミュニケーションツールとして使える「いいね!」マーク、「ON」など、全5種のマジックメタルキューブを店頭およびオンラインストア限定で発売する(今後、種類を増やす予定)。素材は合金工具鋼で、販売価格(税別)は6万円からとなる。
また、好きな文字でオリジナルのマジックメタルキューブを製作するオーダーメイドにも対応するとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「研究開発型」町工場が徹底的にこだわり抜いて開発したアナログプレーヤー
精密旋削加工を武器に、これまで培ってきたモノづくりの技術とノウハウ結集し、ピュアオーディオ向けアナログレコードプレーヤー「AP-0」を新規開発した由紀精密。その誕生の背景には、「研究開発型」町工場を標榜する同社ならではの強みと、ある1人の従業員の熱い思いがあった。 - 新型コロナが町工場や機械メーカーに与えた影響、変化に対応する兆しも
キャディは、機械メーカーおよび町工場を対象にした、製造業における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響に関するアンケート調査の結果概要を発表した。 - ヘラ絞り一家の日常を変えた製品開発
今回は、川崎市のヘラ絞り加工に携わる企業を紹介する。一家で、日々難題にチャレンジし続けて技術を磨きながら、自社製品開発にも取り組み始めた。 - 家電ショールームにドイツ製協働ロボットが登場、産業用以外の可能性も探る
リョーサンは2020年8月27日から同年10月25日にかけて、ドイツのスタートアップであるFranka Emikaの協働ロボット「Panda」を蔦屋家電+で展示している。Franka Emikaは国内ではまだ広く知られていないが、海外では注目を集める協働ロボットメーカー。2020年1月からリョーサンが国内販売を開始している。 - パナソニック企画製品で初のクラウドファンディングは「空間を着る」
Shiftall(シフトール)は、パナソニック アプライアンス社のデザインスタジオ「FUTURE LIFE FACTORY(FLF)」と共同で、集中力を高めるウェアラブル端末「WEAR SPACE」を開発したと発表した。パナソニックが企画開発した製品として初めて、事業化プロジェクトをクラウドファンディングで実施する。 - 町工場発ベンチャー創出を加速、浜野製作所が「モノづくり相談サービス」を開始
中小製造業ながらさまざまなベンチャー育成に取り組んでいる浜野製作所は「モノづくりの要件が定まらず、なかなか製品をリリースできない」など、モノづくりの悩みをもつ個人、法人を対象に「モノづくり相談サービス」を開始した。