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家電ショールームにドイツ製協働ロボットが登場、産業用以外の可能性も探る協働ロボット(1/2 ページ)

リョーサンは2020年8月27日から同年10月25日にかけて、ドイツのスタートアップであるFranka Emikaの協働ロボット「Panda」を蔦屋家電+で展示している。Franka Emikaは国内ではまだ広く知られていないが、海外では注目を集める協働ロボットメーカー。2020年1月からリョーサンが国内販売を開始している。

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 リョーサンは2020年8月27日から同年10月25日にかけて、最新家電製品のショールーム「蔦屋(ツタヤ)家電+」(東京都世田谷区)で、ドイツのスタートアップであるFranka Emika(フランカ・エミカ)の協働ロボット「Panda(パンダ)」を展示している。Pandaがポット内のガラス玉を別のコップに移し替えるといったデモンストレーションを見学できる。また、ロボットと見学者の接触事故を防止するため、画像認識技術を手掛けるディジタルメディアプロフェッショナル(DMP)が提供するエッジAI(人工知能)で見学者の接近を検知する仕組みも取り入れた。

蔦屋家電+で展示中の「Panda」[クリックして拡大]
蔦屋家電+で展示中の「Panda」[クリックして拡大]

7軸を備えたドイツメーカーの協働ロボット「Panda」

 Franka Emikaは2016年にドイツで創業した、協働ロボット開発を手掛けるスタートアップだ。ドイツ航空宇宙センター(DLR)出身のメンバーが創業し、2017年にはドイツ国内の優れた技術を表彰する「ドイツ未来賞」を受賞した他、雑誌TIMEの「Best Inventions 2018」に選出されるなど、海外では注目を集めている。2020年1月からは、リョーサンがFranka Emikaの協働ロボットであるPandaの日本国内での輸入販売を開始した。

 Pandaは7軸を備えた協働ロボットで、他社の協働ロボットに比べて、より人間の腕のような動作が行える点が特徴だ。可搬重量は3kg。また、動作プログラミングはPC画面上のアイコンを並び替えて行う方式を採用しており、産業用ロボットのプログラミングに習熟していない人でも取り組みやすい。プログラミング以外の動作指定方法として、ロボットアームを直接動かしてティーチング(教示)するダイレクトティーチングにも対応している。ロボットアーム動作時の稼働音も静かで、騒音の心配がないことから研究機関などで導入されるケースも多いという。

動作プログラミングの画面。アイコンを並び替える方式でプログラミングが可能[クリックして拡大]
動作プログラミングの画面。アイコンを並び替える方式でプログラミングが可能[クリックして拡大]

 今回の展示で見学客は、ポットに入ったガラス玉をPandaが2つのコップに移しかえてまた元に戻すといった動作や、コップを木製のテーブル上に載せて台ごと手前や奥に動かすといった動作のデモンストレーションを見ることができる。

ガラス玉をコップに移しかえる動作(左)や、コップを載せた台を手前や奥に動かすといった動作(右)を見学できる[クリックして拡大]

 リョーサン プロジェクトマネージャー ソリューション事業本部の萩山公晴氏は「日頃の業務で協働ロボットを見慣れている人にとって、デモ内容自体に新鮮さはないだろう。しかし、一般的には産業用ロボットを間近で見たことがないという人も多い。今回の展示でも、ロボットになじみのない人からは『目新しかった』など好意的な感想をもらっている。中には『自宅にもほしい』『洗濯物も畳めそう』といった声もあった。今回のように家電製品が多く並ぶショールームで協働ロボットを展示するのは、国内では初めての試みだと思う」と語った。

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