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作りたいモノをよく観察し、市販部品をうまく活用しながら構想を練っていくステイホームでDIYを極める! 玄人志向なモノづくり(2)(3/3 ページ)

ステイホームで注目を集める「DIY」をテーマに、設計から製作までのプロセスを、実際の製造業におけるモノづくりの視点を交えながら解説することで、DIY素人の皆さんに“玄人のエッセンス”を伝授する。第2回では、オリジナル「カメラスライダー」の製作をテーマに、実現方法のイメージを膨らませていく。

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リニアシャフトを支える部品はどうする?

 リニアシャフトを左右で支える部品については、いろいろなアイデアが出てきそうですが、ひとまずこんな感じでどうでしょうか。

リニアシャフトを支える部品のイメージ
図9 リニアシャフトを支える部品のイメージ [クリックで拡大]

 アクリル板を使ってリニアシャフトを押し込むブロックを2つ作ります。このとき、シャフトを差し込む穴は貫通(素通し)では困るので、「ドリルストッパー」を使って貫通させないようにします。この貫通させない行き止まりの穴のことを「止まり穴」と呼びます。

ドリルストッパー(筆者所有物)
図10 ドリルストッパー(筆者所有物) [クリックで拡大]

 こうすると、「刃先から○○mm」と決めた深さまでしかドリルが入らないので、うっかり貫通させてしまう心配がありません。ただ、樹脂製のタイプは長持ちしないので、たびたび使うようであれば金属製ストッパーへの買い替えをオススメします。

 ブロックの背中にはL型金具を取り付けて、ブロックと土台の板を接続させます。L型金具は穴なし、穴あり、長穴が開いているものなど、たくさんの種類が市販されています。

参考リンク:

⇒ YHT NET SHOP|八幡ねじ


 図11のように、2面に長穴が開いていると「高さ」「横方向」2つの調整ができます。今回の計画では2面長穴付きのL型金具を使用することにしましょう。

2面長穴付きのL型金具を使用する
図11 2面長穴付きのL型金具を使用する [クリックで拡大]

 L型金具の取り付けには、丸木ネジを使います(図12)。専門業者のネット通販などでは、箱売りになっていることがほとんどですが、ホームセンターでは小分けで入手できます。

(+)丸木ねじ
図12 (+)丸木ねじ(品番:M5.1×16) ※出典:MonotaRO(モノタロウ) [クリックで拡大]

 ひとまずの構想はこんなところでしょうか。

購入する/自作するものをリストアップ

 ここまでに紹介した参照リンク先で部品の価格を確認できるので、購入する部品にかかる費用はおおよそつかめるはずです。

 以下、購入する部品と自作する部品をそれぞれリストアップします。

  • 【購入するもの】
    • 雲台とカメラネジ1/4:各1個
    • リニアシャフトφ12×500mm:2本
    • スライドユニット(SU12UU):2個
    • L型金具:4個
    • スライドユニット取り付け用ネジ M5×15六角穴付きボルト:8本(ネジサイズは一例)
    • L型金具取り付け用ネジ(土台側) M5.1×16丸木ネジ:4本
    • L型金具取り付け用ネジ(シャフト固定台側) M4×25:4本(ネジサイズは一例)
    • M4ナット:4個
    • ベースにする板(ベニヤやMDFなど):1枚
  • 【自作するもの】
    • カメラ固定台(アルミ板に穴を開けて作る):1個
    • シャフト固定台(アクリル板に穴を開けて作る):2個


 次回は、これらのリストに従って手描きで構想を詰めていきます。 (次回に続く

⇒ 連載バックナンバーはこちら

Profile

藤崎淳子(ふじさきじゅんこ)

長野県上伊那郡在住の設計者。工作機械販売商社、樹脂材料・加工品商社、プレス金型メーカー、基板実装メーカーなどの勤務経験を経てモノづくりの知識を深める。紆余(うよ)曲折の末、2006年にMaterial工房・テクノフレキスを開業。従業員は自分だけの“一人ファブレス”を看板に、打ち合せ、設計、加工手配、組み立て、納品を一人でこなす。数ある加工手段の中で、特にフライス盤とマシニングセンター加工の世界にドラマを感じており、もっと多くの人へ切削加工の魅力を伝えたいと考えている。

・筆者ブログ「ガノタなモノづくりママの日常」


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