スマートシティのオープンイノベーションへ、TRI-ADやJR東日本などが集結:モビリティサービス
トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント(TRI-AD)は2020年8月26日、スクラムベンチャーズ(Scrum Ventures)が主催するオープンイノベーションプログラム「SmartCityX」に参加すると発表した。
トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント(TRI-AD)は2020年8月26日、スクラムベンチャーズ(Scrum Ventures)が主催するオープンイノベーションプログラム「SmartCityX」に参加すると発表した。
このプログラムは、スマートシティで「Society 5.0」を実践するため、パートナー企業や国内外のスタートアップとともに「未来のまち」の共創に取り組むというものだ。生活者目線で価値の高いサービスやアプリケーションを共創し、社会課題の解決や豊かな暮らしの実現に取り組む。開発したサービスやアプリケーションは、特定のエリアにおける街づくりではなく、多様な地域課題に応じて適用していく。
SmartCityXには、パートナー企業としてTRI-ADの他、あいおいニッセイ同和損害保険、出光興産、日本ユニシス、博報堂、東日本旅客鉄道が参加する。また、オブザーバーとして三重県と東京都渋谷区も参画する。パートナー企業6社と国内外のスタートアップが事業の共創に取り組む。三重県と東京都渋谷区は地域の課題を共有し、実証フィールドも提供する。メンターとして参加する専門家の知見なども活用できる。
共創の対象となるテーマは、小売りや教育、医療、介護、リモートワークなどの「コンシューマープロダクト&サービス」、自動運転や物流などの「モビリティ」、スマートホームやビルマネジメントなど「スマートビルディング」、エネルギーや食糧資源、水資源を扱う「エネルギー&資源&サステナビリティ」、通信や公共サービスなど「インフラストラクチャ」、ダイバーシティや公共政策など「ソーシャルイノベーション」の6つ。
TRI-ADはトヨタ自動車が推進するスマートシティのプロジェクト「Woven City」において、スマートシティのデザインやコネクテッドモビリティ、ロボティクス技術などをトヨタとともに実証する役割を担う。SmartCityXに参加することにより、既存の事業領域を超えた新事業の立ち上げやパートナー探索機能を強化していく。また、パートナー企業や国内外のスタートアップとの交流も深め、具体的なサービスやアプリケーションの社会実装や将来の事業化に取り組む。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- トヨタがデジタルツインで街づくり、移動、生活、インフラの新技術を試す
トヨタ自動車は消費者向けエレクトロニクス展示会「CES 2020」(2020年1月7〜10日、米国ネバダ州ラスベガス)において、静岡県裾野市に設置する実証都市「コネクティッド・シティ」のプロジェクトを発表する。モノやサービスをつなげる環境を整え、実際に人が住んで生活しながら、自動運転車やカーシェアリング、コネクテッドカー、パーソナルモビリティ、ロボット、スマートホームなどの活用に向けた実証を行う。 - トヨタNTTの“がっかり”提携会見、その背後にある真の狙いとは
2020年3月24日、トヨタ自動車とNTTが資本業務提携についての記者会見を開いた。主要な題目はスマートシティービジネスとなっていたが、両社の説明は具体性に欠け“がっかり”させる内容だった。今回の会見の背景にある狙いについて、自動車産業ジャーナリストの桃田健史氏が読み解く。 - ガソリンスタンドをMaaS拠点に、ENEOSが電動小型モビリティで協業
ENEOSホールディングスとLuupは2020年7月20日、電動マイクロモビリティの普及に向けて協業を開始したと発表した。 - MaaSを深掘り、新しい街づくりを起点にモビリティと都市交通の在り方を考える
前回に引き続きMaaS第2弾となる本連載。公共交通機関やレンタカー、タクシー、レンタサイクルなどを組み合わせて、人の移動をシームレスに行うサービス、「MaaS(Mobility as a Service)」という言葉が日本でも話題となっている。では、MaaSが普及すると、モビリティと街づくりの関係はどう変わるのであろうか。今回は先進的な検討を進めている関係者に話を聞いた。 - パナソニックが46万m2の本社敷地で自動運転シャトル、目指すは人中心の街づくり
パナソニックは2019年10月17日、東京都内で説明会を開き、社長直轄の組織「モビリティソリューションズ」の取り組みを発表した。自動車部品を手がける「オートモーティブ社」とは別の部門で、低速で短距離の生活圏の移動にフォーカスしたモビリティサービスを開発する。車両の自社開発にはこだわらない。 - 都市部への人口集中、観光客の増加……今こそ新しいモビリティの創造を!
中国が建設を進める新しい都市「雄安新区」を2018年末に訪問した際、このプロジェクトは「国家千年の大計」と聞いた。千年といえば、日本にも千年続くことを計画して作られた都がある。平安京そして現在の京都である。平安京は、794年に遷都以来、その後京都として現在で1225年になる。今回は、千年の大計と呼ばれる中国の雄安新区、そして日本の平安京(京都)における街づくりの在り方から、2019年の初頭の話題として、将来のモビリティ像について考えてみたい。