ToFカメラ向けのデモ用アプリを開発、人物や視線をリアルタイム検出:組み込み採用事例
スワローインキュベートは、CIS製ToFカメラ用に同社の「ヒューマンセンシング技術」を搭載したデモ用アプリを開発した。マーケティング、自動車、ロボット、医療、アミューズメント分野での利用を見込む。
スワローインキュベートは2020年7月28日、シーアイエス(CIS)製ToF(Time-of-Flight)カメラ用に同社の「ヒューマンセンシング技術」を搭載したデモンストレーションソフトを開発したと発表した。マーケティング分野をはじめ、自動車、ロボット、医療、アミューズメント分野での利用を見込んでいる。
同デモ用アプリには、本田技術研究所やパナソニック、自社の特許を活用した「人物検出技術」や「視線検出技術」を搭載。カメラから人物までの距離、顔や目の向きから算出した視線方向と視線位置、まばたきカウント、居眠りカウントの4項目をリアルタイムで検出する。
可視光センサー、赤外線センサー、Depth(デプス)センサーを同一基板に実装しているため、3データの同時取得による複合的なセンシングに対応する。RGB画像に距離情報を加えることで、「視線のプロット先推定」の精度向上や、「人物の接近度判定」などを可能にしている。
ToFカメラには「DCC-RGBD1」を採用。アナログフロントエンドにAnalog Devicesの「ADDI9036」を搭載している。大きさは55×50×40mmだ。
3密回避の「人物カウント」、介護など「見守りシステム」、タッチレス視線操作などの「非接触センシング」に応用できる。今後は、人物の身長推定、体型や体格の定量化、赤外光による瞳孔検出を組み合わせたセンシングの研究を進めるとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 新型「iPad Pro」のLiDARスキャナ、ToFセンサーは安価な直接方式を採用
アップルがタブレット端末のフラグシップモデル「iPad Pro」の新モデルを発表。注目を集めているのが、モーションセンシングや対象物までの距離計測、AR(拡張現実)との連携などに役立つことをうたう新機能「LiDAR(ライダー)スキャナ」だ。 - 「AQUOS R5G」に採用された3D ToFイメージセンサー
インフィニオン(Infineon Technologies)とPMD Technologiesが共同開発したToFベースの3Dイメージセンサー「REAL3」が、シャープのスマートフォン「AQUOS R5G」に搭載される。リアルタイムで動画の「背景ぼかし」処理が可能だ。 - 100m先でも10cm間隔の距離精度で3次元画像が得られる画像センサー
パナソニックは、APD画素とTOF方式を組み合わせ、100万画素の長距離画像センサーを開発した。近方から遠方250m先まで高精度な3次元情報を取得可能で、車載用距離測定や広域の監視などの用途を見込む。 - ビーコン不要の動線分析、ToFカメラで測位誤差は最小5cm
スプリームシステムは、「スマートファクトリーJapan 2019」(2019年6月5〜7日、東京ビッグサイト 青海展示棟)において、動線分析システム「Moptar」と棚前動作分析システム「Mopreach」の紹介を行った。 - ホンダの抗ウイルス・アレル物質シートがオフィス家具に、内田洋行が採用
内田洋行は2020年7月30日、ホンダの軽自動車「N-BOX」「N-WGN」に使用している抗ウイルス・抗アレル物質のシート表皮「アレルクリーンプラス」を採用したオフィスチェアを発売したと発表した。ホンダが特許技術であるアレルクリーンプラスを提案し、内田洋行の製品での採用に至った。 - 特許技術を活用したSDK/APIの提供を開始、ベンチャー支援のため
スワローインキュベートは、パナソニックが保有する特許技術のライセンス供与を受け、その特許活用の促進を目的とした契約を締結した。IoT領域で活用できる「特許技術SDK/API」を開発し、順次公開する予定だ。