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最低限そろえておきたいDIYツール一式とコストに関する考え方ステイホームでDIYを極める! 玄人志向なモノづくり(1)(3/3 ページ)

ステイホームで注目を集める「DIY」をテーマに、設計から製作までのプロセスを、実際の製造業におけるモノづくりの視点を交えながら解説することで、DIY素人の皆さんに“玄人のエッセンス”を伝授する。第1回は、最低限そろえておきたいDIYツール一式とコストに関する考え方について取り上げる。

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予算内で作りたいモノを作るには?

 ただ、そうはいっても何かモノを作る場合は、当然「コスト(費用)」を考えなくてはなりません。「気が付いたら既製品を買った方が安かった……」というのはDIYあるある話です。では、コストを抑えるにはどうすればよいのでしょうか?

 実はその方法はとてもシンプルで、作りたいモノが決まったらまずは予算を立てて、その後、実際にかかる費用を見積もるのです。

 予算を立てるには、金額の目安が必要です。手っ取り早いのは“市販品のリサーチ”です。例えば、A4サイズの種類などを縦に納められる3段の本棚を作りたい場合、ホームセンターなどで売っている3段のカラーボックスの価格帯が1700〜2000円程度なので、その範囲内で作るか、あるいは少し頑張って上限4000円で作るか、といった具合に判断します。

 次に見積もりです。まず、作品のサイズと部品構成を考えて描き出します。このとき、「市販のカラーボックスのように板だけで本棚を作るか、あるいは左右側面の板の代わりに2本の支柱を立てるか……」「支柱も木材にすべきか、金属パイプにすべきか……」などと、いろいろなアイデアが浮かんでくるはずです。これがいわゆる「構想設計」という作業です。

同じ3段の本棚でもいろいろなアイデアが浮かんでくる……
図8 同じ3段の本棚でもいろいろなアイデアが浮かんでくる…… [クリックで拡大]

 実際に、デザインを描き出して、部品のサイズと材料のめどを付けたら、材料費のリサーチです。今はわざわざ店頭に出向かなくても、大半のことはネットで調べられますし、そこから購入もできます。例えば、木材ならストーリオ、アクリル素材ならはざいや(菅原工芸)といった専門業者の他、大手通販サイトやホームセンターのWebサイトなどでも価格を調べることができます。

 そして、この見積もり結果次第で、当初のアイデア通りのモノが作れそうか、あるいは予算がオーバーしてしまいそうかが見えてきます。もし、予算オーバーであれば、予算内に収まるようにデザインを再検討しなければなりません。

 ただ、DIYの魅力は、「自分の手で、唯一無二の作品を作り上げること」です。予算オーバーでも当初のデザインで作りたいのが正直なところ……。そんなとき、どうしたらよいのでしょうか。

 結論は、「作ればいいんです!」

 結局のところ、DIYは自己責任と自己完結の世界です。製造業の世界ではそうはいきませんが、予算オーバーだろうと何だろうと、(おサイフの問題はあるにせよ)自分が納得しさえすればよいのです。個人のモノづくりであれば、誰かに迷惑を掛けることもありませんからね。



 さて次回は、実際に作りたいモノを「設計」に落とし込んでいくプロセス、構想設計のアプローチについて取り上げたいと思います。お楽しみに! (次回に続く

Profile

藤崎淳子(ふじさきじゅんこ)

長野県上伊那郡在住の設計者。工作機械販売商社、樹脂材料・加工品商社、プレス金型メーカー、基板実装メーカーなどの勤務経験を経てモノづくりの知識を深める。紆余(うよ)曲折の末、2006年にMaterial工房・テクノフレキスを開業。従業員は自分だけの“一人ファブレス”を看板に、打ち合せ、設計、加工手配、組み立て、納品を一人でこなす。数ある加工手段の中で、特にフライス盤とマシニングセンター加工の世界にドラマを感じており、もっと多くの人へ切削加工の魅力を伝えたいと考えている。

・筆者ブログ「ガノタなモノづくりママの日常」


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