スマートロック情報とIDをひも付け円滑な来訪管理、工場などでも展開へ:製造業がサービス業となる日(2/2 ページ)
フォトシンスは2020年8月4日、物理的な鍵をなくすキーレス社会を実現するための新事業戦略として、データ認証基盤「Akerun Access Intelligence」を発表した。ユーザーのメールアドレスなどのID情報を交通系ICカードに紐付けることで、スマートロックサービスの利便性を高める狙いだ。
将来的には工場向けにも来訪管理システムを提供?
フォトシンスは、こうしたAkerun Access Intelligenceの特徴を生かしたビルオフィス向けサービスとして「Akerun来訪管理システム」の提供を開始した。
同システムは、ビルオフィスに入居する企業の訪問時に、ビルの受付で入館証を受け取る手間などを省力化する。一般的に、入館証の受け取りには、受付で必要事項を用紙に記入した上で、受付から企業担当者に面会予約の有無を確認するなどいくつかの工程を踏む必要がある。しかしAkerunユーザーIDがあれば、あらかじめ訪問先企業の担当者にメールアドレスなどのID情報を伝えておくだけで、担当者が訪問者に鍵権限を付与できる。このため、訪問者は受付に立ち寄らずとも、自身の交通系ICカードなどでセキュリティゲートをそのまま通り抜けすることが可能だ。
今後、Akerun来訪管理システムをビルオフィス以外の領域に展開する計画があるかを河瀬氏に尋ねたところ「既にAkerun Proは工場の他、病院、大学などの研究機関でも導入が進んでいる。具体的な時期については現段階で明言できないが、それらの領域にもAkerun来訪管理システムを展開したいと考えている」と回答した。
また、将来的なスマートロック普及の展望について、河瀬氏は「Akerun来訪管理システムは当社の既存製品/サービスと同じく、ICカードだけでなくスマートフォンにも対応している。ユーザー次第で好みの開錠デバイスを選択できる仕組みだ。ただ、個人的に今後は交通系ICカードを用いたスマートロックの開閉が主流化していくのではないかとも予測している」と語った。
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