日産は最終赤字6700億円の見通し、2022年までの中計は「順調」:製造マネジメントニュース
日産自動車は2020年7月28日、2021年3月期第1四半期(2020年4〜6月)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比50.5%減の1兆1742億円、営業損益は1539億円の損失、当期純損益は2856億円の損失となった。2021年3月期通期(2020年度)の業績予想は、前期比21.0%減の7兆8000億円、営業損益は4700億円の損失、当期純損失は6700億円の損失を見込んでいる。
日産自動車は2020年7月28日、2021年3月期第1四半期(2020年4〜6月)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比50.5%減の1兆1742億円、営業損益は1539億円の損失、当期純損益は2856億円の損失となった。2021年3月期通期(2020年度)の業績予想は、前期比21.0%減の7兆8000億円、営業損益は4700億円の損失、当期純損失は6700億円の損失を見込んでいる。
2020年5月に発表した事業構造改革計画「Nissan NEXT」では、2020年度末までに2018年度比で固定費3000億円の削減を目指している。この目標は、2019年度末の減損に伴う減価償却費の減少や一般管理費の低減、広告宣伝費など販売費の削減によって計画通りに達成できる見通しだ。
また、2020年度は研究開発費が前期比2.7%減の5300億円、設備投資が同13.5%減の4400億円を計画する。事業構造改革計画においてコアとなる地域やモデルに投資し、持続的な成長につなげる。2021年度に営業利益率2.0%以上を目指す計画も「達成できる」(日産自動車 代表執行役社長兼CEOの内田誠氏)と自信を見せる。
販売状況に改善の兆し
日産自動車の2021年3月期第1四半期の販売台数は、前年同期比47.7%減の64.3万台だった。地域別に見ると、欧州が同60.1%減、北米が同50.8%減、日本が同33.7%減となった。
販売は減少したものの、日本では10年ぶりのブランニューモデルとなる「キックス」の投入によって、課題となっていた登録車の市場シェアが改善。北米は、フリート販売を減らしたことで収益性が改善、「セントラ」「ヴァーサ」「タイタン」といったモデルが販売をけん引して台当たりの販売価格が上昇したという。中国は好調で2020年4〜6月の実績は前年同期比4.1%増のプラスで、「シルフィ」「アルティマ」が販売をけん引した。
日米欧中各拠点の生産台数についても、中国のみが前年同期の台数を上回ったが、日本や北米、欧州は前年同期を大きく下回っている状況だ。その中でも、タイでは日本やアジア向けのキックスの生産を3月に開始。日本では北米向け「ローグ」の新モデルの生産を6月から開始した。また、メキシコでは2月からセントラの生産を始めており、コロナ禍でも新型車の投入ができたとしている。
2020年度通期の販売台数は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第2波が発生しない前提で、前期比16.3%減の412.5万台を計画している。中国は同4.6%減、日本が同2.7%減、北米は同23.8%減、欧州は同23.2%減を見込む。内田氏は「2023年度までにグローバルの新車市場は9000万台に戻る」と見通しを語った。
営業損益は前年同期の16億円の黒字から2021年3月期第1四半期は赤字に転落。販売台数の大幅減や部品販売の減少、連結販売会社の業績悪化により2322億円のマイナスとなった。ただ、販売費用で359億円の改善、生産面や固定費などのコスト低減で373億円のプラス要因もあった。固定費削減は、2020年度通期で1205億円まで進む見通しだ。
アライアンスの新型EVも生産へ
ただ、厳しい状況の中でも必要な投資は進める計画だ。三菱自動車が同日発表した水嶋製作所(岡山県倉敷市)への総額80億円の投資は日産自動車も一部を負担し、共同開発する軽自動車タイプの電気自動車(EV)の生産体制を整える。設備投資は2020年8月から開始する。日産も投資額の一部を負担するほか、岡山県の補助金も活用する。
水島製作所には、駆動用バッテリーの組み立て設備や検査設備を新設する他、駆動用バッテリーケース内製のためのプレス・溶接・組み立て・塗装設備の増設、EVプラットフォーム対応のためのライン増設などを予定している。
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