ニュース
大型四角基板対応力と高解像力を両立した、後工程向け半導体露光装置を発売:FAニュース
キヤノンは、半導体露光装置の新製品「FPA-8000iW」を発表した。515×510mmまでの大型四角基板に対応可能な性能と、1.0μmの高解像力を兼ね備えており、半導体パッケージングの微細化や大型化に貢献する。
キヤノンは2020年6月23日、半導体露光装置の新製品「FPA-8000iW」を発表した。同年7月上旬に発売する。
FPA-8000iWは、後工程向けのi線ステッパーで、同社で初めて大型四角基板に対応した装置となる。515×510mmまでの大型四角基板に対応可能な性能と、1.0μmの高解像力を兼ね備えている。
同社は、大型四角基板を用いたパッケージ工程への要求に対応し、515×510mmの大型基板を搬送できるプラットフォームを開発した。搬送システムも新しくなり、大きな反り(約10mm)を矯正して露光できる。
また、52×68mmの広画角の露光を可能とする独自の投影光学系を搭載。四角基板対応のパッケージング向け露光装置では最高レベルとなる、1.0μmの解像力を誇る。
これらの機能により、半導体チップの高集積化や薄型化に対応するPLP(Panel Level Packaging)製法が可能になる。半導体パッケージングの微細化や大型化、コスト削減など、生産効率の向上に貢献する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 半導体露光機で日系メーカーはなぜASMLに敗れたのか
法政大学イノベーション・マネジメント研究センターのシンポジウム「海外のジャイアントに学ぶビジネス・エコシステム」では、日本における電子半導体産業の未来を考えるシンポジウム「海外のジャイアントに学ぶビジネス・エコシステム」を開催。半導体露光機業界で日系企業がオランダのASMLに敗れた背景や理由について解説した。 - ナノスケールのちりの影響を抑制、半導体製造装置が目指すIoT活用
「SEMICON Japan 2016」のIoTイノベーションフォーラムで登壇した東京エレクトロン執行役員の西垣寿彦氏は、半導体製造における“ちり”の管理と、IoTを使った生産性向上の取り組みについて紹介した。 - 72台の装置を半日で稼働、日本発「ミニマルファブ」が変える革新型モノづくり
産総研コンソーシアム ファブシステム研究会などは「SEMICON Japan 2016」で、「ミニマルファブの開発成果を発表。同研究会などが推進するミニマル生産方式による製造装置「ミニマルシリーズ」72台を設置し、半導体製造工程のほとんどをカバーできるようになった成果をアピールした。 - ネットワークカメラで工場業務を効率化、キヤノンが狙う“工場の新たな目”
キヤノンは、同社が製品展開しているネットワークカメラや画像処理技術と、自社で培う製造技術などを組み合わせ、2018年から製造現場(FA)向けの画像ソリューションに力を入れる。製品やソリューションの拡充を進める一方、シーメンスやユニバーサルロボットなどのパートナーを増やし、具体的な用途の開拓に取り組んでいる。その戦略を聞いた。 - 「SiC」と「GaN」、勝ち残る企業はどこか?(前編)
品質やコストと並んで、設計開発者が関心を持たなければならないのが、「特許」だ。製品設計の前段階から、自らの新たな視点に基づく特許出願を心掛けることが重要だが、まずは技術者が自ら特許について調べるためのヒントが必要だろう。本連載では、特定分野を毎回選び出し、その分野に関する特許の企業別、国別の状況を解説しながら、特許を活用する手法を紹介する。 - キヤノンが工場自動化領域に本格参入、シーメンスと提携
キヤノンは新たにシーメンスと協業し、FAソリューション領域に本格参入することを発表した。イメージング技術などを活用し、新たな工場自動化の世界を実現する。