どうして自動運転や電動化に取り組んでいるんですか?
ある種のクルマ好きは、自動運転や電動化をネガティブに捉えているように思います。こうした進化によってクルマがつまらなくなると思っているのではないでしょうか。それをどうこう言うつもりはありません。クルマを動かす楽しい経験や、メカ的な魅力があったからこそ、そう思うのでしょう。
以前運転させてもらった電子制御の少なかった時代のクルマ(15年以上前のBMW)は、不思議な魅力がありました。モーター駆動じゃないのにモーターのようにヌルヌルと滑らかに動くのです。ペダルやスイッチなど触れるものはしっとりとした操作感だったように記憶しています。とても精密な機械仕掛けという印象でした。私も、動かしている楽しさを少しは分かるつもりです。
自動運転や電動化を推し進める人たちは、クルマのそういった側面に興味がないのでしょうか。これは完全に憶測と偏見ですが、テック企業の人たちは効率的で無駄が一切ないことを愛していて、自動運転や電動化はその延長なのではないかと妄想したことがあります。自分で運転したり、運転やクルマの個性を楽しんだりするよりも、効率を高めて浮いた時間やお金をうまく使うことこそが重要だと思っているんじゃないかと、憶測と偏見で想像していました。
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