ニュース
写真から形状を再現、福島県に伝わる妖怪像を3Dプリンタでフィギュア化:3Dプリンタニュース
キャステムは、福島県いわき市に伝わる妖怪像をデジタル技術でフィギュア化した。被写体のスキャニングではなく、数枚の写真から細かな形状を再現するとともに、懐かしさを感じさせる姿にデフォルメしている。
キャステムは2020年5月21日、福島県いわき市に伝わる妖怪像をデジタル技術でフィギュア化したと発表した。同日より、広島県三次市の湯本豪一記念日本妖怪博物館(三次もののけミュージアム)にて販売を開始。全15種類で、大きさは約5cm、価格は1体550円(税込)だ。
妖怪像は、下帯姿の立像や袈裟姿の座像などからなる136体の木彫像群で、獣や魚、鳥などをイメージしたもの、顔が2つのもの、首の長いものなどユニークな姿がSNSで話題となっている。いわき市内に分散されて伝えられていたが、元はいわき市泉町の廃寺玉光山威徳院にあったといわれている。現在は、三次もののけミュージアムが所蔵する。
精密鋳造メーカーのキャステムが運営するキャステム京都LiQビルは、妖怪像の数枚の写真から3Dデータを作成。データを元に3Dプリンタでフィギュアを出力し、同ミュージアムに商品化を提案した。
今回は、一般的な被写体のスキャニングによる3Dデータ化ではなく、数枚の写真から細かな形状を再現するとともに、懐かしさを感じさせる姿にデフォルメしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 3Dプリンタの可能性を引き上げる材料×構造、メカニカル・メタマテリアルに注目
単なる試作やパーツ製作の範囲を超えたさらなる3Dプリンタ活用のためには、「造形方式」「材料」「構造」の3つの進化が不可欠。これら要素が掛け合わさることで、一体どのようなことが実現可能となるのか。本稿では“材料×構造”の視点から、2020年以降で見えてくるであろう景色を想像してみたい。 - いまさら聞けない 3Dプリンタ入門
「3Dプリンタ」とは何ですか? と人にたずねられたとき、あなたは正しく説明できますか。本稿では、今話題の3Dプリンタについて、誕生の歴史から、種類や方式、取り巻く環境、将来性などを分かりやすく解説します。 - 「単なる試作機器や製造設備で終わらせないためには?」――今、求められる3Dプリンタの真価と進化
作られるモノ(対象)のイメージを変えないまま、従来通り、試作機器や製造設備として使っているだけでは、3Dプリンタの可能性はこれ以上広がらない。特に“カタチ”のプリントだけでなく、ITとも連動する“機能”のプリントへ歩みを進めなければ先はない。3Dプリンタブームが落ち着きを見せ、一般消費者も過度な期待から冷静な目で今後の動向を見守っている。こうした現状の中、慶應義塾大学 環境情報学部 准教授の田中浩也氏は、3Dプリンタ/3Dデータの新たな利活用に向けた、次なる取り組みを着々と始めている。 - JVCケンウッドが痛感した3Dプリンタの量産活用における難しさと解決への筋道
日本HP主催「HP デジタルマニュファクチャリング サミット 〜3Dプリンターによる、ものづくりのデジタル革新〜」において、JVCケンウッドは「JVCケンウッドが推進するデジタルマニュファクチャリングの取り組み」をテーマに講演を行った。 - 3Dプリンタの種類と3Dデータのファイル形式
連載「『ミニ四駆』ボディーを3Dプリンタで作ろう」では、前回シリーズで作成したミニ四駆ボディーの3Dモデルデータを使って、実際に3Dプリントするまでの流れを紹介。第1回は、3Dプリンタの種類と3Dデータのファイル形式について解説する。 - 3Dプリンタがなくなる日
3Dプリンタは、3Dプリンタと呼ばれなくなったときに、本当に身近なものになるのかもしれない。FABカルチャーを発信するスタジオを運営する神田沙織氏が、自身の活動を紹介しながら家庭向け3Dプリンタを取り巻く現状について語った。