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アマゾン買収から2年半、「Amazon FreeRTOS」は最も手頃なRTOSにリアルタイムOS列伝(2)(3/3 ページ)

IoT(モノのインターネット)市場が拡大する中で、エッジ側の機器制御で重要な役割を果たすことが期待されているリアルタイムOS(RTOS)について解説する本連載。第2回は、アマゾンの買収によってRTOSのメインストリームに躍り出た「Amazon FreeRTOS」について紹介する。

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「FreeRTOS IoT Libraries」と「FreeRTOS Labs」

 これらに加えて「FreeRTOS IoT Libraries」も提供されている。

  • MQTT(MQTTプロトコルの実装)
  • HTTPS(LightweightなHTTPSプロトコルの実装)
  • OTA(ファームウェアのOTAアップデートをサポートするライブラリ群を提供)
  • PKCS #11(OASIS Standardに準拠した暗号化APIで、キーストレージとか暗号化オブジェクトのget/set、それとセッション制御のライブラリが提供される)
  • AWS IoT Jobs(AWS IoTにつながる複数のデバイスでジョブを実行するライブラリ)
  • AWS IoT Device Shadowing(デバイスの状態の保存/復帰を実行するためのライブラリ)

 まだこれらについては全てが長期サポート(LTS:Long Time Support)の対象にはなっていないが、今のところMQTTはLTS向けの作業中で2020年第3四半期にはサポート対象となる見込み。PKCS #11/FreeRTOS+TCP/OTA/HPPS/AWS IoT Device Shadowingの各コンポーネントはLTS対象にすることを計画中である。

 他にもまだ開発中の、いわばβ版にあたるものに「FreeRTOS Labs」があり、こちらでは以下のものを提供中だ。

  • MQTT Lightweight(軽量版MQTT)
  • POSIX(POSIX Threading wrapper)
  • FreeRTOS+FAT(FATファイルシステム:SDカードへの読み書きなどが可能になる)

 このあたりに関しては、2017年から随分開発が進んだ感じがある。やはりAWSの傘下になり、資金的にもエンジニアリングリソース的にも充実したことが、さまざまな開発を促進したのではないかという気がする。パートナーも随分増えており(図3)、開発のハードルもかなる下がったように思う。今、何かの理由でRTOSを使わなければいけなくなり、かつ選択に何も縛りが無いのであれば、一番お手頃なのはAmazon FreeRTOSといえるだろう。

図3
図3 パートナー企業一覧。開発環境に関してもKeilとIAR、percepio、SEGGERが名乗りを上げており、随分充実したと思う(クリックで拡大)

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