AWSにIoT機器をWi-Fiで直接つなげられる、クラウド通信評価キットを販売開始:組み込み開発ニュース
ルネサス エレクトロニクスは、32ビットマイコン「RX65N」を搭載し、AWSへWi-Fi接続できるクラウド通信評価キット「Renesas RX65N Cloud Kit」を発表した。Wi-Fiモジュールや3種類のセンサーを搭載する。
ルネサス エレクトロニクスは2019年8月20日、32ビットマイコン「RX65N」を搭載し、アマゾンウェブサービス(AWS)のクラウドにWi-Fi接続できるクラウド通信評価キット「Renesas RX65N Cloud Kit」を発表した。Wi-Fiモジュールや3種類のセンサーを搭載し、センサー機能付きIoT(モノのインターネット)機器のプロトタイプ開発や評価などの利用を見込む。現在販売中で、参考価格は1個50米ドル(約5300円、税別)。
RX65Nは、Amazon FreeRTOS用AWSデバイスの認定を取得しており、Amazon FreeRTOSを活用したリモートOTA(Over-The-Air)によるファームウェアのアップデートが可能。また、トラステッドセキュアIP、フラッシュメモリのプロテクト機能を利用した強固なセキュリティも特徴だ。
同キットは、RX65Nを使用したターゲットボード、Wi-Fi通信対応のPmodモジュール、環境、照度、慣性センサーやUSBポートを搭載したクラウドオプションボード、統合開発環境「e2 studio」で構成する。今回、e2 studioをAmazon FreeRTOS用に拡張したことで、Amazon FreeRTOSのプロジェクトの生成、ネットワークスタック、コンポーネントライブラリの設定、IoTエンドポイント機器へ機能追加が容易になる。
AWSにアップロードしたセンサーデータは、AWS上のダッシュボードでモニター可能。スマートメーター、ビル、オフィス、FA、家電など、AWSにセキュアにWi-Fi接続できるIoT機器の開発を支援する。
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