国内ERP市場予測を発表、2018〜2023年度CAGRが9.5%で成長:製造ITニュース
アイ・ティ・アールは、国内ERP市場の市場規模推移と予測を発表した。2018年度の売上金額は前年度比9.1%増の1004億円、2019年度も同13.4%増と予測。今後はSaaS市場が急拡大し、2022年度にはパッケージ市場を上回る見込みだという。
アイ・ティ・アールは2020年4月23日、国内ERP市場の市場規模推移と予測を発表した。2019年度の売上金額は、前年度比13.4%増と好調な伸びを予測。今後はSaaS市場が急拡大し、2022年度にはパッケージ市場を上回る見込みと予測した。
同市場の2018年度の売上金額は前年度比9.1%増の1004億円、2019年度も同13.4%増で成長すると見込んでいる。ERPへの投資促進の背景には、老朽化したERPシステムを更新する企業が増えていること、消費税率の引き上げ、軽減税率制度の導入などがあるという。
既存システムのリニューアルや機能拡張、適用範囲の拡大など、今後もERPに対する投資の安定的な増加が見込まれ、2018〜2023年度のCAGR(年平均成長率)は9.5%で推移すると予測している。
同市場をパッケージ製品とSaaSとの提供形態別で見ると、パッケージ市場は年々シェアを落とし、代わりにSaaS市場が拡大している。主要ベンダーによるSaaSの販売強化に加え、パッケージ導入企業もSaaSへの乗り換えを進めており、2022年度にはSaaS市場がパッケージ市場を上回ると予測している。
また、パッケージ製品での運用形態別では、オンプレミスでの運用が年々減少し、IaaSでの運用が拡大。コストや導入スピードなどの優位性から、IaaSでの運用を選択する企業が増えているとしている。
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