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12コアまで搭載可能なハイエンドアプリケーション開発向けプロセッサ:組み込み開発ニュース
シノプシスは、ハイエンドの組み込みアプリケーション開発に向けたプロセッサIPシリーズ「DesignWare ARC HS5x」「DesignWare ARC HS6x」を発表した。
シノプシス(Synopsys)は2020年4月7日、ハイエンドの組み込みアプリケーション開発に向けたプロセッサIPシリーズ「DesignWare ARC HS5x」「DesignWare ARC HS6x」を発表した。
HS5xは32ビット、HS6xは32ビットと64ビットの命令を実行でき、シングルコアとマルチコアの両方に対応可能。両シリーズとも新しいスーパースカラーARCv3命令セットアーキテクチャ(ISA)を実装しており、16nmプロセスで製造される。
両シリーズに加わる製品は、シングルコア5種とマルチコア5種の計10種。マルチコアバージョンの製品は、8750DMIPS(Dhrystone Million Instructions Per Second)の処理性能を有するコアを12個まで搭載可能で、最大16のハードウェアアクセラレーターと接続できる。また、広帯域プロセッサ間の接続機構を搭載し、非同期クロックおよび最大800GB/sの内部データ転送をサポートする。
両プロセッサシリーズを用いることで、無線通信制御やホームネットワークなどの組み込みアプリケーション開発者は、性能の高さとともに厳しく要求される低消費電力化や省スペース化に対応可能になる。
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