スマート工場化をモジュール化で簡単・短期間に実現、マクニカが提案開始:FAニュース
マクニカは2020年4月27日、製造業のスマートファクトリー化をモジュールの組み合わせにより低価格、短期間で実現するソリューション提案を体系化し「Digital Synergy Factory(デジタルシナジーファクトリー)」として展開することを発表した。
マクニカは2020年4月27日、製造業のスマートファクトリー化をモジュールの組み合わせにより低価格、短期間で実現するソリューション提案を体系化し「Digital Synergy Factory(デジタルシナジーファクトリー)」として展開することをオンライン会見で発表した。
マクニカでは以前からAI(人工知能)技術をさまざまな領域で活用しデジタル変革を推進する「macnica.ai」をブランドとして訴求してきたが、その中で新たにスマートファクトリー分野のサブブランドとして新たに立ち上げるのが「デジタルシナジーファクトリー」となる。
新たにサブブランドを立ち上げる狙いについてマクニカ イノベーション戦略事業本部 本部長の佐藤篤志氏は「マクニカでは『macnica.ai』のもと、製造業のデジタル変革支援を進めてきた実績がある。その中で、スマートファクトリーについてのさまざまな知見が蓄積できてきた。より広く訴えていくために新たにマクニカの知見、サービス、技術を組み合わせたトータルソリューションとして価値を提供していく」と語っている。
さらに、マクニカ インダストリアルソリューション事業部 事業部長の阿部幸太氏は「今まで200件以上のスマートファクトリー支援を行った中で、取り組み初期が一番難しいという点を強く感じた。データがない中で正しい取り組みの形が見えず、期待とのギャップが大きくなるからだ。知見やサービス、技術を組み合わせて体系化することで、このプロジェクト初期の難しい部分をより簡単に、短期間で乗り越えられるように新たな提案を進めていく」とデジタルシナジーファクトリーの意義について述べる。
業務に合わせたモジュールの組み合わせでスマート工場を実現
マクニカが新たに展開する「デジタルシナジーファクトリー」は、マクニカの持つ知見や課題認識、技術やサービスを組み合わせ、製造業内の業種別、工程別の課題に向けたモジュール型サービスを提供するものである。スマートファクトリー化に必要なソリューションを最初から構築するのではなく、多くの製造業に共通の類型をパッケージ型モジュールとして用意しておき、それらの組み合わせで課題解決ができるようにする。
2020年4月27日時点で利用可能なモジュールは「組み立て工程見える化」「監視対象設備のCBM(状態基準メンテナンス)」「外観検査工程の自動化」の3つだが、「2020年度中に10以上のモジュール構築を目指したい」(阿部氏)としている。
マクニカでは今後モジュールの数を増やしながらスマートファクトリー支援を進めて「2025年くらいまでに売上高150億円の規模まで伸ばしたい」(佐藤氏)と目標を示している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- マクニカとアルベルトがスマート工場向けで資本業務提携、100億円規模目指す
マクニカとALBERT(以下、アルベルト)は2019年11月6日、製造業向けにAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)を活用したスマートファクトリー化提案を進めるため、資本業務提携の契約を締結したことを発表した。 - AI関連の売上高10倍を目指すマクニカ、センサーからデータ処理までを包括提供
技術商社のマクニカは2019年1月24日、AI領域における統合ブランド「macnica.ai」を立ち上げることを発表した。AIソリューション関連の売上高は現在の30億円から5年後には300億円規模を狙うとしている。 - 工場自動化のホワイトスペースを狙え、主戦場は「搬送」と「検査」か
労働力不足が加速する中、人手がかかる作業を低減し省力化を目的とした「自動化」への関心が高まっている。製造現場では以前から「自動化」が進んでいるが、2019年は従来の空白地域の自動化が大きく加速する見込みだ。具体的には「搬送」と「検査」の自動化が広がる。 - 自律するスマート工場実現に向け、IoTプラットフォーム連携が加速へ
製造業のIoT活用はスマート工場実現に向けた取り組みが活発化している。多くの企業が「見える化」には取り組むが、その先に進むために必要なIoT基盤などではさまざまなサービスが乱立しており、迷うケースも多い。ただ、これらのプラットフォームは今後、連携が進む見込みだ。 - おもてなしと喜びのダンス、デリバリーサービスロボ「Relay」が目指すもの
ロボット派遣・就職・教育サービスを手掛け、これまでロボットとともに5000人以上を接客した経験を持つ田中智崇氏がデリバリーサービスロボット「Relay(リレイ)」について紹介する。 - OPC UAの技術進化、Pub-Sub通信やセキュリティ技術など実用面強化
スマート工場化など工場内でのIoT活用が広がる中、注目度を高めているのが「OPC UA」である。本稿では、OPC UAの解説を中心に工場内ネットワークで何が起きようとしているのかを紹介する。第3回となる今回は、セキュリティや新たな技術など、OPC UAの機能面での先進動向を解説する。