「BluetoothはIoTの主役」、2024年には搭載機器の66%がPCやスマホ以外に:組み込み開発ニュース(2/2 ページ)
Bluetooth SIG(Special Interest Group)がオンライン会見を開き、2024年までのBluetooth搭載機器の出荷台数予測をまとめた「Bluetooth市場動向2020」について解説。グローバルのBluetooth搭載機器の年間出荷台数は、2019年の42億台から年平均8%で成長し、2024年には62億台に達する見込みだ。
位置情報サービス向けの成長率は年平均32%に
データ転送は、ウェアラブル端末やさまざまな用途の広がりを見せているIoT(モノのインターネット)機器が対象市場だ。年間出荷台数は、2019年の8億台から年平均13%で成長し、2024年には15億台まで拡大すると予測している。セイビン氏は「IoTデバイスの38%が搭載するなど、まさにBluetoothはIoTの主役となるデータ転送技術だ。この数字はWi-FiやRFIDよりも高い」と強調する。その兆候として表れているのが、ウェアラブル端末や玩具のような現在のカテゴリーに当てはまらない“コネクテッドなエンドポイント”の市場で、2024年には8300万台が出荷される見込みだ。
これらの需要に対応するためBluetoothのデータ転送技術も改善を続けている。Bluetooth 5.0では、変調速度を2倍にする「LE 2M PHY」や、通信距離を4倍にする「LE Coded PHY」、ブロードキャストデータ量を8倍にするアドバタイジング拡張などが図られている。
最も成長率の高いソリューションとして期待されているのが、屋内ナビゲーションやスマートタグなどで活用されている位置情報サービスだ。年間出荷台数は、2019年の1億3200万台から年平均32%で成長し、2024年には5億3800万台まで拡大する見込みである。セイビン氏によれば、2024年までにBluetoothを用いたリアルタイム位置情報システム(RTLS)が100万システム導入され、18億台のスマートフォンなどのハンドセットがBluetoothによる位置情報サービスを実装するという。また、個人用のスマートタグや、物流のトレーサビリティー確保に用いるトラッカー向けに2024年の1年間で1億3000万台が出荷されるとしている。
Bluetoothの最新バージョンである5.1では、AoA(Angle of Arrival、到達角度)やAoD(Angle of Departure、発信角度)をサポートしており方向検知が可能になる。さらに、その位置精度はcm単位を実現できる。方向に加えて距離の測定も可能になるとのことで、位置情報サービスのソリューションとしてより洗練されていくことになりそうだ。
デバイスネットワークは、照明やスピーカーなどの多数の機器を統合制御するシステム向けのソリューションである。メッシュネットワークの「Bluetooth mesh」は、このデバイスネットワーク向けに開発された機能だ。年間出荷台数は、2019年の2億8000万台から年平均23%で成長し、2024年には8億9200万台まで拡大すると予測している。
この成長をけん引しているのが中国市場だ。中国では、2024年までにスマートスピーカーの導入数が2019年比で2.5倍になり、家庭内における照明や自動化に関わるデバイスの導入数も同3倍になる。これらの無線ネットワークにBluetoothが広く用いられていく。「中国におけるスマートホームを支える技術になるだろう」(セイビン氏)。また、Bluetooth meshの認証製品の数は30カ月の間で半年ごとに倍増しているという。
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